汨羅の観察人日記(一介のリベラルから見た現代日本)

自称『リベラル』の視点から、その時々の出来事(主に政治)についてコメントします。

国益とは何かー防衛費の伸びに寄せてーその1

2020-09-23 17:20:25 | 政治全般

防衛費の伸びが続く(⇒引用:朝日新聞記事)。中国の驚異があるから当然云々、訳知り顔で語る者達(自称保守・愛国者≒ネトウヨ)がネット上に溢れているが、これらの意見に疑問を持つ人も多いであろう。大きく疑問点は2点でてくると思う。

1点目、防衛問題が日本国が対処すべき優先課題なのだとろうか。2点目、中国は日本が敵対すべき敵国なのだろうか。気づく人は気づいていると思うが、1点目と2点目は相互に関係する論点である。ここでは1点目の論点について述べてゆきたい。

そもそも、日本の国力の源泉は何かと言えば、それは経済力であることを否定する人はそう多くはないであろう。日本には経済力があるから、対外援助等を活用した外交を展開できるのであり、また、諸外国に比べて遜色の無い装備品で自衛隊は武装できるのである。

では、本邦の経済力の源泉は何か、と言えばそれはⅠ労働力人とⅡ技術革新を支える科学技術であることも論を俟たない。これに疑義のある人は、以下の私の指摘はチンプンカンプンであろうから、これ以上読まない事を勧める。なお、なぜそう言えるのか疑問に感じる人は、以下の引用を読むことを勧める。(リンク⇒内閣府資料財務省資料

Ⅰの労働力人口が重要と言えば、まず、取り組まなければならないのは、どのようにして労働力人口を維持・増進するかである。そのためには、①女性・高齢者の労働市場参入 ②少子化対策 ③外国人労働者の受け入れ(移民)となる。安倍政権下において善し悪しは別として①は及び③はそれを実行ならしめる基盤は整備されたと言える。②に物足りなさを感じるものの、菅政権が不妊治療の保険適用を重視政策にしていることから、安倍政権においてもその重要性は認識されていたのであろう。但し、少子化対策は産むだけではだめであり、①との関連になるが、幼児や児童を育てる環境、所謂子育て環境の整備も重要である。この点、今後充実する必要があるであろう。

話は変わるが、自称保守・愛国界隈≒ネトウヨは安倍政権を礼賛しているわけであるが、彼らの価値観は核家族的家族感重要、移民反対であったはずである。安倍政権で進んだのは労働力人口維持のため、女性及び老人の労働市場参入推進策であり、外国人労働者の受け入れ態勢整備である。彼らが何を支持していたのか理解に苦しむところである(一見したところの対外強硬的な姿勢と戦前社会の肯定程度のものなのであろうが)。

話を本題に戻し、Ⅱの技術革新を支える科学技術を如何に振興するかであるが、これは人材をどのように確保するかであり、方策としては①教育の充実による人材の育成 ②外国からの優秀な人材獲得 ③学術機関の研究費の充実 ということになろう。なお、科学技術と言えば所謂理系をイメージすると思うが、学際的な研究の重要性が言われている今日、上記①~③について文理とわずということをここでは指摘しておきたい。

ここまでの結論をまとめると、我が国の喫緊の課題は少子高齢化対策及び教育レベルの維持であり、防衛予算を増額するより、防衛費よりこちらの予算の充実を図る必要があるとなる。少なくともOECD内で対GDP比最低割合の支出(リンク:参院資料)という現状は改善すべきであると言える。

安倍政権及びその継承政権である菅政権は、上記Ⅰの労働力人口の増加については、新自由主義的かつ国民の福祉とバーターではあるものの、それなりの政策はしている(していた)といえるものの、上記Ⅱの教育という面では不十分である(あった)と言わざるを得ないであろう。

ここで話が発散するが、いずれにせよ、上記Ⅰ及びⅡに共通するのは、外国人活用(受け入れ)である。これを前提とすると、我々は、日本社会の外国人(特に東アジア)排除的な社会風土では早晩日本社会は立ち行かなくなることを認識し、行政は外国人受け入れを前提とした制度設計を行い、また個々の日本人特に日本の国益云々叫んでいる奴輩は、今後の日本は外国人と共存していく社会になること、またはそうならなければ国際社会における日本の相対的地位は低下してしまうことを認識しておくべきであろう。


支離滅裂な安倍政権の新型コロナ対応2

2020-09-23 12:11:00 | 政治全般

管政権成立後に、時期を逸した感がかるが、安倍政権の新型コロナ対応でまずもって問題であったのは、PCR検査数増加に否定的であったことであろう。先のブログでも書いたが、正しい現状の把握なくして、適切な防疫はできないであろう。こんなことは専門家ではなくても、素人でもわかることである。

下記の図で言えば、敵情不明のところは、敵が存在していても対処できないから処置しない、というのが、安倍政権の新型コロナ対策であった。これはそんなに難しいことではない。図がやや軍事チックだから違和感を感じる人がいるかもしれないが、TVゲーム等でシュミレーションゲームをやったことがある人ならば、敵情不明のところに、偵察機を飛ばすか、偵察部隊を出して敵の全体像を把握することが、敵に勝つためには必要ということが、直感でわかるであろう。これをしなかったのが、安倍政権なのである。現に他国は検査の徹底という方向で対策を立てている。⇒時事通信記事参照(リンク)

 

安倍政権の行うことはなんでも肯定して、事足れりとしていた、PCR検査の拡充に反対していた馬鹿どもは、日本の新型コロナ対策が後手に回った片棒を担いだという意味で、猛省すべきであろう。


支離滅裂な安倍政権の新型コロナ対応

2020-05-06 14:48:03 | 政治全般

安倍政権の新型コロナウイルス対応は失敗だったといわざるを得ない。 新型コロナウイルス対応といえば、一般的に①感染拡大防止策②経済対策 の両面を指すのであろうが、この両面でという意味である。今回、本記事においては①を中心に書いて行きたい。 ①についていえばPCR検査の実施規模が小さすぎ、現状把握が適切におこなわれなかったという事実の一言に尽きるであろう。世の中、適切な状況判断を行うためには、正しい現状の把握が必要であるということは、誰でもわかることであろう。つまり、罹患者数を少なく見せれば新型コロナウイルスの拡大状況が小さく見えるので、政府の新型コロナ対策が上手くいっているように見えるという、子供だましの類いの発想であろう。これは世論調査対策になっても疫病対策には何の役にも立たない。ウイルスは忖度などしないからだ。こんな分かりりきったことも判断できないほど、安部首相の知性は低劣であり、その周囲には中国王朝末期に蔓延った宦官や自己の権勢が第一みたいな俗物官僚みたいな人物しかいないのであろう。さらに、PCR検査拡大を政権に躊躇させたのは、中国、韓国敵視・蔑視以外の発想を持ち合わせていない、安部首相及びその週周辺の幼稚な思考な故であろう。

これは、朝日新聞の記事(→朝日記事)にもなっているが、PCR検査の拡大といえば、韓国方式を採用せざるを得ず、それをしたくなかったといことのようである。韓国はMERSといった先行事例もあり、日本より早く新型コロナウイルスが流行し、また、平和ボケした日本と違い、北朝鮮のBC兵器による攻撃も現実の脅威として存在していることから、日本が新型コロナ対策で学ぶべきものも多かったはずである。事実、日本政府・与党は韓国に頭を下げたくないとの、思惑があり、韓国側からの打診を断っているようである。

フォーブス記事

これを一言で言えば、ネトウヨ的思考が日本社会に害悪をなした典型例と言えるであろう。


菅直人の原発事故対応

2014-06-07 10:52:12 | 政治全般

民主党が小沢一郎路線をとっていたなら、現在、日本国・日本社会が最優先すべき少子高齢化社会への対応に向けた政策が、政官一体となりしっかり推進されており、知的水準が高いとは言えない安倍晋三の趣味でやっているような集団的自衛権論争で時間と政治資源の無駄な浪費はなかったであろうと予想している私にとり、単なる党派的発想から脱小沢なる愚策を推し進めた菅直人なる人物は、評価しないというより、日本政治史に残る害悪であるととらえている。

しかし、こと東日本大震災における原発事故対応については、私は菅直人を評価している。

今となっては、後知恵で何ともいえるであろう。
菅直人を全否定しようとすれば、菅直人が当時行ったすべての決定、行動について間違っていたとの結論を出せる。
また、菅直人を全肯定しようと思えば、彼が行ったすべての決定、行動は正しかったとの結論をだすことができる。

ただ、菅直人が大嫌いな私の意見を言えば、ある事象に関して人間がする決定・行動について、すべて正しいということはまずあり得ず、同様に、すべてが間違っているということもほとんどあり得ないということを考慮すると、菅直人の原発対応について、よかった部分もあれば、よくなかった部分もあったのであろうということにすぎないのではないかと思う。

そのように考えると、今後、同様な事故が発生した場合処置・対策を導き出す以外の意図をもった事故調査に関する言質、具体的には、自称保守(≒ネトウヨ)が行っているような、民主党政権を全否定することが目的の原発事故対応に係る言及、そしてその対極にある、熱狂的菅直人支持者による原発事項対応に関する言動は、知的生産に資するものはほとんどないと思うところである。

ただ、異常事態における組織トップの行動として見た場合、私は菅直人の決定・行動は肯定的に評価すべきなのではないかと思う
自称保守≒ネトウヨは、首相が現地に行くのはけしからん、官僚機構にまかせず自分で動いたことで混乱云々いっているが、福島の原発事故については

①現地の正しい情報が、関係部署(東電、保安院、経産省)にまともに入ってこない。
②原発事故リスクを甘く見ていたツケとして、福島で発生したような原発事故に対応するための実効的な計画を作成していなかったため、関係部署がまともな危機管理を行うことができない。
③断片的に入ってくる情報から判断すると、チェルノブイリ級の事故になる可能性が否定できない、というよりそのようになる蓋然性が高い。
④重大な事故であるにも関わらず、関係部署の責任者の危機意識、責任感が希薄
⑤チェルノブイリ級の事故だと、被害は首都圏に及ぶ。

上記状況を考えた場合、はたして菅直人の決定・行動が間違っていたといえるであろうか。私は、個々の事象に関する論点はあるとしても、全体的には正しかったと思う。そして、同様な見解を有する、危機管理の専門家も存在する(治安フォーラム 20巻7号の宮坂直史氏の記事

批判は簡単である。個々の決定・行動を見れば、確かに違ったやり方の方がベターだった行動もあろう。しかし、自称保守≒ネトウヨが主張しているような、まったくもってダメだったという批判を見ると、「じゃぁ、お前だったらどのような決定・対応をするのか?」といいたくなる。

上記の①から⑤の状況を踏まえ、自称保守≒ネトウヨが宰相の席にあったとして、この輩はどのような対応をすべきだというのか、是非とも知りたいものである。
当時【野党】自民党が言ってたように東電に事故対応をまかせるのか?それとも役所に任せるのか?状況がわからない中、情報が上がってくるまで、官邸で報告を待つのか?首都圏に被害が及んだ場合、日本国の社会機能は実質的に壊滅するが、その責任をどのように取るのか?等々を考えると、あの時の菅直人の行動は、結局行程せざるを得なかったといわざるを得ないであろう。

安倍晋三のように、知的水準が高くない宰相であれば、そもそもチェルノブイリと聞いてもピンと来ないので、ヘラヘラ笑って「大丈夫です」とか言って東電に任せるのであろうが、まともな教養・知識と論理的思考能力があれば、上記①~⑤の状況を踏まえた場合、例え現場に介入しすぎとの批判があったとしても、一国の宰相として、陣頭指揮をとるのが当然であろうというのが、私の結論である。


法人税減税

2014-06-06 23:50:42 | 政治全般

安倍政権の出鱈目経済政策には呆れるの一言だが、
日本のGDPの6割近くを占める個人消費の冷え込み必至な消費税を増税し、
少子高齢化の進行で、企業の投資は減ることはあっても増えることが余り想定しえない中、企業を優遇する法人税は減税って、いったいどういう経済政策なんだと不思議に思う今日この頃。

それとも、現在企業に適用されている、各種優遇税制撤廃に踏み切るのかな、安倍政権は?