汨羅の観察人日記(一介のリベラルから見た現代日本)

自称『リベラル』の視点から、その時々の出来事(主に政治)についてコメントします。

管政権の新型コロナ対応について

2021-05-04 22:38:04 | 日本社会右傾化

日本における新型コロナ対応について、最早、日本の統治機構はここまで劣化したかと慨嘆せざるを得ない。

世界最先端の医療技術があるにも係わらず、トランプ政権下で新型コロナ対応についてメタメタと思われたアメリカ、罹患者が急増しアメリカに負けず劣らず新型コロナ対応について駄目かとおもわれていたジョンソン政権下のイギリスは、本ブログを書いている段階で新型コロナによる痛手から急回復しつつある。(アメリカ(参考:NHK報道)イギリス(参考:FNN報道))。

アジアに目をむけると、新型コロナで右往左往しているのは東アジアでは北朝鮮と日本だけという体たらくである(中国:(参考:NHK報道)韓国(参考:中央日報日本語版))。かつて、アジア雁行型発展の先頭に立っていたとして、アジア諸国のお手本になっていた日本の姿は、もう今の日本には無いと断ぜざるを得ない状況である。

日本の新型コロナ対応の何が駄目かと言えば、拙ブログで9月に指摘(参考:支離滅裂な安倍政権の新型コロナ対応2)した事項ではあるが、①そもそも検査を幅広く実施すべきなのに、検査対象を何故か絞ったままであることに加え、②特に重症患者の受け入れ可能な医療施設整備不十分、③ワクチン確保及び確保した後の接種態勢が不十分という問題点がここ最近秋あらかになったところである。

政策・施策とは畢竟人がすることなので、日本国政府は何から何まで先読みし、完璧にやれとは言わない。しかし日本の新型コロナ対応が救い難いのは、この一年間、他国を先行例として研究し、十分な対策を行う時間的余裕があったにも係わらず、現在の惨状であるということにあるこの根本原因を考えると、無理を承知で何でもゴリ押しして強行突破を図っていた、第2次安倍政権の政治手法が日本の統治機構を毒したしか言いようがないであろう国内政治の場面でしか通用しないこのやり方を、自然科学の領域である感染症対策に、現在の政府が準用したことに日本の悲劇があると言える。

自民党総裁が替わっても政治手法が変化しないのであれば、新型コロナ対応を他国並にするに、日本社会が取るべき方策は政権交代以外無いということが結論になろう。

 


日本社会における「保守」乱用について(その2)

2021-02-14 20:48:53 | 日本社会右傾化

前ブログで「保守」について種々論じたが、もう少し簡単に考えると、大きく日本人がイメージする国家像は下記の3分類があるのではないかと思う。①アジア・世界に冠たる「大日本」商業により国家・社会の発展を目指す「商業立国日本」国力・国情に応じて部相応の国際的地位に甘んじる「小日本」

これらは明治以降日本に存在した考え方であり、何も戦後特有ではない。①の立場に立つ代表的人物としては福沢諭吉がおり、②は渋沢栄一や新渡戸稲造、そして石橋湛山もこの系譜に属するであろう。③としては夏目漱石がその代表であろう。それぞれの著作を読めば、この点を理解できる。

戦後日本は、軍事的にソ連に対抗すべくもなく、所謂西側陣営に属し、②を追求してきたといえる。よって、戦後保守と言えば②のことであろう。他方、昨今保守を称している者達は①の立場に立ち、②や③の立場の者に種々攻撃を加えているという構図であると見る。①が保守と主張するのは、無理筋というのが私の見立てだが、彼らにしてみれば②は経済「大国」であるうちは是認できたが、中韓の経済的興隆により「大国」を主張し得なくなってきたことから、韓国・中国を敵視することにより大国意識を保っているのであろう。そしてアベノミクスなるかなり無理のあった失敗する運命にあった経済政策にすがり、再度「大日本」の再興を期したというところではないだろうか。「大日本」に弱者は存在してはならず、そのような者達は斬り捨ててしまえというのが、彼らの考えなのであろう。

いずれにせよ、日本国民というか人々を如何に幸福にするかという考えとは程遠い方々であり、こういう考えの方々が社会で影響力を振るっていることは、日本社会の不幸であると感じる次第である。

 

 


日本社会劣化の象徴としての安部晋三とその愉快な仲間達

2020-12-29 22:31:25 | 日本社会右傾化

政権放り投げ×2男(安部晋三)が桜を見る会について、国会で虚偽の答弁を繰り返し(引用:毎日新聞21/12/2020)、恥も外聞もなく12月25日の国会で開き直ったような答弁を繰り返している政権放り出し×2男(安部晋三)を見ると、知的に不誠実な輩が総理を務め、これに類する輩が跋扈する日本社会の未来に暗澹たるものを感じざるを得ない

それにしても、政権放り出し×2男(安部晋三)の周辺には出鱈目を垂れ流し、それについて反省も謝罪もできない、半人前の輩が多いと感じる。まさに類は友を呼ぶとはこのことであろう。例えば、日本学術会議で誤報をしたフジテレビの平井文夫・上席解説委員(引用:高堀冬彦氏ブログ記事)、いまだに、先の米大統領選で不正があり真の当選者はトランプと主張する百田尚樹氏、門田隆将氏、有本香氏、加藤清隆氏等(引用:毎日新聞記事(5/12/2020))。米大統領選について、バイデン勝利の可能性が高かったことは、今年9月23日の私のブログ記事でも指摘済みであり、素人でもネットで調べうる経済指標等見れば容易に把握しうるところであるが、トランプが勝つと予言的にいってしまった手前、その現実を受け入れることができずに不正があった云々見苦しいことこの上ない。ドイツでナチスが政権を取った時、当時の米国ではドイツ社会が退化したと言われていたようだが、こういう輩が跋扈しているあたり、今の日本社会は退化しているのではないかと感じる。

無論、政権放り投げ×2男(安部晋三)が全て悪いと言っているわけではない。バブル崩壊以降の日本社会の趨勢がというものがあり、IT技術の各層への普及ということが伏線となり、日本社会の退化という結果になったのであろう。そうは言いながら、安倍政権でそれが劇的というか端的に表出した感を受ける

このような状況を放置していては、ただでさえ少子高齢化社会を迎え日本社会の活力が低下する中で、日本社会が立ちゆかなくなると危惧するのである。

したがって、日本社会の指導的な各層は、今後、安倍政権における社会の変化(劣化)を総括し、これの是正策をしっかり練る必要があるであろう。私事になるが、私自身仕事の関係でこの劣化を直接感じる立場にあり、その是正のために微力ながら努力しているところである。


プロパガンダとしての「反中」「嫌韓」

2020-12-29 12:54:10 | 日本社会右傾化

昨今、メディア等で中国脅威論が幅をきかせている。また、韓国敵視の言質をネット上で姦しく騒ぎ立てる者が跋扈している。そして、これらを騒ぎ立てている者達の言質は端的に言ってステレオタイプに過ぎない。更に言えば、プロパガンダに乗ぜられているとしか表現のしようがないであろう。

戦争のプロパガンダ10に法則(草思社文庫)」によるとプロパガンダにおいては以下のことが主張されるとある。「我々は戦争をしたくない」「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」「敵の指導者は悪魔のような人間だ」「我々は領土や覇権のためでなく偉大な使命のために戦う」「我々も意図せざる犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為に及んでいる」「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」「我々の受けた被害は小さく敵に与えた被害は甚大」「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」「われわれの大義は神聖なものである」「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」

どうであろうか。敵を中国や韓国に置き換えると、本邦におけるメディアやネットにおける一部のノイジーな方々が言い立てている内容と同じである。つまり、本邦で「反中」「嫌韓」をがなりたてている者達は、ネットやテレビといった伝達手段を用いてプロパガンダをしているだけの、またはそれを真に受けて義憤に燃えている知的に低劣な方々、という結論に達する。「反中」「嫌韓」をネット等で騒ぎ立てている馬鹿を「ネトウヨ」と世間一般では称しているので、結論を簡単に表現するとネトウヨは朝から晩までプロパガンダを流している、またはそれを真に受けて日々興奮している知的水準の低い方々」という表現になるのだが、論考をここでやめては面白くない。日本社会に蔓延するこのプロパガンダが出てきた背景を若干陰謀論的に考察してみる。

私は、上記プロパガンダを朝から晩まで垂れ流し、またはそのプロパガンダを信じメディアやネットで知的レベルが低そうなことを延々と述べている者が本邦社会に散見されるようになった背景として、①安倍政権・自民党による世論誘導及び②ロシアによる工作の成功があると睨んでいる。

①について、そもそも自民党は橋本行革以降、日本社会をアメリカ型に変えようとしてきたと言える。この点は、「日本経済30年史(岩波新書)」に詳しいが、アメリカ型社会とは畢竟、自由競争を社会発展の基軸とし、国民間にある程度の所得格差が発生するのを是認・推奨する社会であるといえる。そういう社会に日本社会の構造を変えて行くということは、得による国民の分断線が生じるということである。これにより生じた所謂負け組の不満を解消する手段としてナショナリズムを煽るという下策を安部政権・自民党は採用したと私は推測する。そして安倍政権・自民党は、中韓が経済力をつけてきたという状況、つまり相対的に東アジアにおける日本の地位が低下したという状況を受け、日本人が有する中国人・韓国人への蔑視・差別意識を利用し、負け組の不満の矛先が中国及び韓国に向くように世論誘導したのではないかと推測するそこにロシアが含まれないのは、政権放棄×2男(安部晋三)が日ロ平和条約締結に妄執していたからであろう。事実、いつも愚かなコメントを発している阿比留瑠比・門田隆将・有村香等メディアに蔓延るの所謂安部応援団の馬鹿どもの口からは中国云々・韓国云々聞くことはあってもロシアについて聞くことはなかったのは状況証拠としてこの証左であると考える。

②のロシアの工作については、冷戦時代の旧ソ連よりロシアによる日本社会各層への工作は継続的になされているとみるのが適当であろう。その一端として、冷戦時代より愛国チックな論調で有名な産経新聞関係者(論説委員)もドップリ浸かっていたレフチェンコ事件(証言)(引用:衆院質問主意書警察白書)というものがある。ロシアの対日工作の目的は、警察白書でも指摘されているが、日・米・中の離間、親露ロビ-の扶植、北方領土返還運動の鎮静化等であると推測される。そして、昨今の日本社会における反中・嫌韓感情とロシアに対する甘い見方を鑑みるに、ロシアは日本においてその協力者を利用し反中・嫌韓感情を煽ることにより、第二次世界大戦以降日本社会に根強かった、ロシアに対するネガティブ感情をそのまま中韓にすり替えることにある程度成功したのではないかと考える。

そもそもロシアの脅威は依然として健在である。これはロシアの動向及びアメリカの安全保障政策を追っていれば自明のことである。現に本ブログを書いている時点でロシアが米国に大規模なサイバー攻撃をしていた可能性について報道されている(BBC 2020/12/20)。何故、政権寄りの者達の口から中国脅威論、韓国怪しからん論しか出てこないで、ロシアに関する言及が少なかったのか不思議でならなかったが、上記に挙げた理由、則ちA.経済的格差生起に伴う社会の分断線を、中韓を対象にしたナショナリズム喚起で克服しようとしていたこと及び、B.権放棄×2男(安部晋三)の日ロ平和条約締結という妄執を自民党・外務省及び安部応援団を自認する馬鹿どもが忖度した結果ではないかと推測するのである。これに上で述べたロシアの工作がある程度効を奏した結果であると思う次第である。つまり、安倍政権に群がっていた馬鹿どもはロシアを結果的としてアシストしていたと言うのが私の見立てである。

日本社会が「反中」「嫌韓」に傾斜して得する国はどこかと言えば、本邦周辺ではロシアであろう。事実、「反中」「嫌韓」を喧しく言い立てる輩に「ロシアはどーなんだ?」と聞くと、「ロシアは親日国。ロシア人は日本人を尊敬し、恐れているので脅威ではない」と驚天動地なことを言い出す者に出くわすことが、最近多くなった。そもそもスラブ系ロシア人はモンゴロイドに根深い差別意識をもっており、日本人だけは例外ということはない。これは、ロシアを多少知っている者は誰であれ否定はしない事項である。現に北方4島を不法に占拠し、極寒のシベリアに同胞を拉致し搾取し、ほんの数十年前まで我が国に陸軍を本格的に侵攻させる能力を有していた国の正統後継国家に対し、今の日本においては全くと言っていいほど問題にされていない。むしろ、政権放棄×2の無責任男「安部晋三」が日ロ平和条約締結に前向きだったのと平仄を合わせるかのごとく、「反中」「嫌韓」の盛り上がりと反比例して、「対露警戒」は日本社会にどこかに消え去ってしまったような状況である。

日本の公安部署は、反中・嫌韓を姦しく騒ぐ旧安部応援団の背後を徹底的に洗うべきである。そしてロシアとのつながりがあれば、それを白日の下に晒す等しなければ、今後、本邦社会はロシアの工作下、おかしな方向に向かってしまう可能性があると危惧する。