民主党政権を評して「失敗だった」ということが、自由民主党やマスメディアの一部から言われている。また、「日本がおかしくなった」と評する政治家や報道関係者もいる。
結論から言えば、これら政治家やマスコミ人の言動は情緒的であり、かつ単なるネガティブキャンペーンに過ぎないと言える。
このように書くと「民主党政権はダメだった」という反論を多くの人が頭に思い浮かべるだろう。確かに、民主党政権は期待はずれだったろう。しかし、期待はずれだったのと、失敗だった、日本がおかしくなったというのは別の話である。
人々は民主党に何を期待したのか。私個人は少子高齢化社会に適合した社会システムの整備であった。我が国の諸問題、特に経済問題は少子高齢化社会が根源にある以上、この問題に何らかの処方をしなければ、日本社会は減衰し、日本の国際政治における位置づけが低くなるのは火を見るより明らかであったからである。
他には、これまでの自民政権下から違う何かをしてもらいたいという漠然とした思いのあった人、経済を活性化してほしいと思いのあった人等、民主党政権に種々期待をした人は多かったろう。
そして、民主党は鳩山政権において色々の試みがなされた後、菅政権、野田政権において、自民党政権に先祖がえりしたかと見まがうばかりの状態になった。
このように、民主党に変化を期待したところ、自民党時代と何も変わらない状況になった。終いには消費税を巡り分裂する始末。これをもって民主党は期待はずれだったと思われ、先の総選挙で厳しい審判を国民から受けたということであろう。
ただ、自民党の代議士や一部のメディア関係者のいう「失敗」「国が云々」とは、何を言いたいのかさっぱりわからないのである。
そもそも、政権交代が失敗だったとは、何が「成功」であるかが明示されていない段階で、ほとんど意味のない指摘であろう。単に、自らが権力から失墜し、自分の応援する党派が政権党から落ちたことの恨み節に過ぎない。
同じく、国が云々も、何を言っているか意味不明であろう。民主党政権において、国がおかしくなったと言うが、では麻生政権の時と比べて何がおかしくなっているのか。端的にいって、社会的弱者への政策面でのクローズアップがなされるようになったという正の影響はあるが、負の変化といえば、国際関係くらいであろう。それも、民主党政権の責任というより、安倍晋三の個人の責任といえるのである。
現段階において日中、日韓関係は上手くいっていないし、日米関係もおかしくなってきている。日中関係については野田前首相の尖閣国有化の影響があるが、しかし、大部分は安倍首相及びその周囲の浅慮かつ視野の狭い対外スタンスが原因である。
今後、民主党政権における諸事象の分析を本ブログにおいて行う。私個人は小沢一郎を支持するの者であり、現民主党には厳しい見解を持っているので、少なくても、民主党礼賛にはならないと思う。
しかし、必要以上に民主党政権のネガティブキャンペーンを行っている輩、これは政治家やマスメディア関係者が大多数なのであるが、これらの輩の言質を見るの、知的水準に疑問を覚えざるを得ないのである。