英豪華客船タイタニック号の残骸を見るツアー中に水圧でつぶれたとみられる潜水艇「タイタン」の
ニュースが報じられている頃にフジテレビ土曜プレミアムに登場したこの作品。(6/24,7/1)
公開されてから25年というのもキリのいい節目だがなんだかタイミングが凄いな。
当時大ヒットして私も映画館に足を運んだ。何度も観たとか泣いたという感想をあちこちで聞き、
期待が大きくなりすぎて、良さに気づけなかった。
久々に観て、スケールの大きさと美しさに圧倒され、観終わった後もしばし作品の世界観に浸るこ
とが出来た。
ラブストーリー、貧富の差、女性の生き方、お金至上主義など人間ドラマを丁寧に盛り込み、それら
がパズルのピースのようにうまくはまっていて、長時間作品でも飽きることなかった。よくこんなうま
くまとめあがるというのに加えて演者も素晴らしかった。衣装もセットも豪華。沈没に伴い、高価そう
な皿がガチャガチャ割れるわずかなシーンですら印象的だった。
こんなにクオリティ高い作品人生で何回巡り合えるかだ。
しかし、また観たいかといえば微妙。
「人災の怖さが伝わる作品だった」から。
結局のところ人災はなくならない。タイタンの事故原因も今のところはまだわからないが
人災に無関係とは思えない。潜水艇事故と併せて連鎖みたいな印象になっちゃったな。
人災というのは映画や潜水艇ニュースほどのスケールでなくても日常生活に隣り合わせとしてある。
他人事ではないのと、取り返しのつかなさが観てて辛い。
でもそれは私が事故原因にフォーカスして観るタイプだから。
ちなみに、そんな時の答えも映画の中にある。
ディカプリオ演じるジャックが
「人生は贈り物だと思ってます。ムダにしたくない。次にどんなカードが配られるかは分からないけ
ど、大切にしたいと思う」と語るシーンがある。人災はあるかもしれないが、何もしないわけにはいか
ない。
出来る事を精一杯。ヒロイン、ローズの描き方からもそれがこの作品の裏テーマにも思えた。どこを切
り取って心の中に残してもOK。懐深い作品だ。
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