トゼンの世相斬

政治経済で日々思いついたことを書き綴ります

Lineはどうなる?

2021-03-24 14:38:31 | 日記
Lineでトラブルが起こっている。

最初に報道されたのが、個人情報が上海の子会社社員が閲覧出来るように設定されているということ。

開発やメンテをこの子会社でやっていたのだろうが中国というのがまずい。この国には政府が要請したら会社は顧客の情報を提供しなければならないという悪名高い法律がある。つまり、個人情報が政府に筒抜けになりかねないのだ。こんな国にデータを保存するのは脇が甘いと言わざるを得ない。

次に報道されたのが、Lineの個人データ(会話など)が韓国のサーバーに保管されていたということ。これはどこが問題なのかよくわからない。韓国には中国のような悪法はないし、別にデータが外部に漏れたわけではない。

Lineというのは韓国大手IT企業であるNaverの子会社であったことは広く知られた事実である。元々韓国の会社なんだから、サーバーを韓国に持っていて、そこにデータを保存することは何もおかしくはない。それなのに非難されるのは、やはり日本では韓国嫌いの人達が増えているからだろうか。それともLineの親会社は韓国籍であることを知らなかったのか。

いずれにせよこれらの問題でLineの社長が謝罪に追い込まれた。

ところでLineは3月1日にYahooなどを運営しているZホールディングスと経営統合している。そしてその親会社であるAホールディングスはソフトバンク50%、Naver50%のジョイントベンチャーである。

50/50の合弁会社は形態として最悪である。仲良くやっているときにはいいが、利害が対立するとどちらも主導権を取れないため、中途半端な状態に陥ってしまう。従い、どちらかがマジョリティをとるのが望ましいのだが、多分交渉の都合上でお互いが譲らずに、取り合えず半々で、となったのであろう。

そこに今回の騒ぎである。
Lineを経営してきたNaverはこの不祥事で弱みを見せたことになる。海千山千の孫正義氏がこのチャンスを黙ってみているとは思えず、いずれNaverを押し切って、Aホールディングスのマジョリティを取るのではないだろうか。

そうすると3月1日の経営統合後すぐに個人情報関係の不祥事が報道されたことのタイミングの良さに納得がいく。要するに仕組まれた罠だったのではないか。

Zホールディングスの株価は今回の不祥事のためか、低調に推移している。しかし、親会社の50/50という不自然な出資比率が解消されて、ソフトバンク(つまりは孫正義氏)が経営の主導権を取れば経営に一貫性が出て、業績が上向いて株価は上がるのではないだろうか。中長期で見れば今回の不祥事は買いのイベントだと思う。