毎年、桜の咲く季節になると思い出す曲があるのでご紹介したい。
1988年の2月に発売された西村知美10枚目のシングル、『サクラが咲いた』という曲だ。結構マイナーな曲なので、知らない人も多いのではないだろうか。
1988年の春と言えば、僕がちょうど大学に入学した年。『サクラが咲いた』は、桜咲く春の季節にちなんだ淡い恋心を歌った曲だった為、ちょうど入学前の春先にこの曲がテレビやラジオで流れており、人生の大きな節目であった入学時の思い出と共に、この曲が脳裏に記憶されたのだと思う。今でも毎年美しい桜を見るたびに、当時の暖かな春の空気感と共にこの曲を思い出してしまうのだ。
53歳になった今でもバラエティーなどで活躍している西村知美だが、なかなか独特な感性を持っていて可愛い女性だとは思うし、良い形で歳をとったと思うが、正直当時西村知美のファンだったわけではないので、彼女の曲は『サクラが咲いた』以外は殆ど認識していない。にも関わらず、この曲だけ印象に残っており、相当自分にとってインパクトがあったのだと思う。
そして実はこの曲、松本隆作詞、筒美京平作曲という黄金コンビによる曲で、松田聖子が歌っていてもおかしくないような王道アイドル曲だ。まさにあの名曲、『木綿のハンカチーフ』を手掛けたコンビによる曲で、しかも編曲は武部聡志が手掛けており、今振り返ると何とも豪華な布陣だ。当時、相当西村知美を売り出す為に気合が入った曲であったことが伺い知れる。
西村知美が好きかどうかは別として、純粋にこの曲は名曲だと思っている。そんなわけで、先日このシングルEPレコードを購入し、久々に聴いている。今となってはそれほどメジャーな曲ではないので、デジタル音源でもそう出回っていないし、レコード自体も多くは出回っているわけではないので、なかなかレアな作品となっているが、やっぱりレコードで聴くと当時の思い出が鮮明に蘇る。
意外に侮れない隠れた名曲だと思うので、聴いたことがない方はぜひ一度聴いてみて頂きたい。