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正直、聴いた第一印象は、アルバム全体的にかなりリラックスした雰囲気だと言うこと。ノリノリなキレのあるこれまでの宇多田ヒカルのR&B的な曲があまり無いのだ。ちょっと拍子抜けで、物足りないと感じるファンも恐らく多いのでは無いだろうか。
確かに否定出来ないし、僕ももう少し明るいアップテンモネ曲をもっと期待していた。しかし、改めて何回か聴いてみると、これはこれで新しい宇多田ヒカルを感じさせる内容で悪く無い。優しく感じるのは、宇多田ヒカルの歌唱法も変な力が抜けて、楽に歌う感じでかなり聴きやすくなったと言うのも大きな要因だろう。ボーカルも進化しているのだ。
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アルバムには下記11曲が収録されている。
1) 道
2) 俺の彼女
3) 花束を君に
4) 二時間だけのバカンス(feat. 椎名林檎)
5) 人魚
6) ともだち
7) 真夏の通り雨
8) 荒野の狼
9) 忘却(feat. KOHH)
10) 人生最良の日
11) 桜流し
この11曲の内、既にリリースされているのは、NHK朝ドラ『とと姉ちゃん』のテーマとして大ヒットした『花束を君に』、エヴァンゲリオンのテーマ『桜流し』、日テレNEWS ZEROのテーマ『真夏の通り雨』の3曲。そしてこれに、サントリー天然水のCMタイアップとなった『道』が加わったが、『道』も宇多田ヒカルらしいサウンドの曲で、トップバッターとしては良い選択だ。4曲もヒットを収録していて、既に豪華な内容だが、特に『花束を君に』は聴くとすぐにドラマを思い出してしまうようなとても優しい、良い曲だ。
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これに、"東芝EMI同期"でプライベートでも親交がある椎名林檎とのデュエット曲、『二時間だけのバカンス』も話題になっている。このPVでは、おかっぱ頭になった椎名林檎と宇多田ヒカルが登場し、まさに異色の組み合わせだ。曲自体もなかなか良い。
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これ以外では、明るいアップテンモネ曲調である『人生最良の日』と、曲調がちょっとジャズっぽい『ともだち』はなかなか秀逸だ。
まあ、若干の物足りなさはあるが、全体を通して何度か聴いていると心地良くなるアルバムであった。
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今の時代、普通第一線から遠ざかってしまうと容易に視聴者からまた受け入れられにくいのが殆どだが、息の長いアーティストを目指すには、この8年のブランク、そしてカムバックは意味のある充電期間だったのかもしれない。『Fantome』はリリース以来売上好調で、日本以外のチャートでも1位を取ったり、アメリカでも6位など、世界的にも注目されているのは、さすがヒッキーパワーだ。
恐るべし歌姫がパワーアップして帰って来たのだ。