私は、まれに、彼が嫌がることをする。
決まってそれは、奥さんのことで。
もう、嫉妬とか、そんな感情は乗り越えたであろうと思っていたけど、
彼に甘えたくても甘えられない私は、
やっぱりどこかで羨ましいと感じている。
彼が奥さんにしてあげること全てが、
羨ましい。
それは、私には、望めないことだとわかってるから。
一日中、動き回っていた彼は、昼食も取らずに、疲れ果てていた。
そんな彼に、私は、チクリと刺々しい言葉を放つ。
頭の中では、わかっていた。
それは触れてはいけないよ。
嫉妬の域だよ。
そう。冷静な自分は止めようとした。
けれども、どうにでもなれ!っていう、勢いが勝った。
彼にとがめられるのが、嬉しかったり、喜びだったり、
そう感じる私の中の究極のMが、顔を出した瞬間だった。
彼からのLINEは途絶えた。
と、同時に、とてつもない嫌悪感が襲った。
なんでこんなことを言ったんだろう…。
後悔しながら、誤った。
Mは、その様子を見て、うふふ。と笑っていた。
甘えたいんでしょ!
怒られたいんでしょ!
遅れて返事があった。
嫉妬や恨みは、エネルギーを使うからね。
あまり考えないようにしてる。
彼は、相当疲れている。
それを予想できたのに、
最低なことをした。
あなたを心地よくさせるのが私の役目だと思ってきたのにな。
情けない私の失態に、
彼が今後、どのように対処するのか、
待つしかない。