さよならteacup

伝説の柔道家の真実

今回は中華パッドの話ではなく本の話。図書館で予約をしてからからこれ2ヶ月ほどしてようやく借りられたという人気本だ。あまりに待たされたので、予約したのも忘れてたくらいだよ。

そんな人気本のタイトルは「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」だ。



自身も学生時代に高専柔道の経験がある増田俊也がゴング格闘技誌上に連載していたものをまとめた作品だ。格闘技マニア向けのタイトルながら、大宅壮一ノンフィクション賞にも輝いていることからも作品の質が伺える。

木村政彦と言えば不世出の柔道家として格闘技マニアの中では有名だが、世間一般での知名度はその功績に対してあまりに低いと言わざるを得ない。その理由はこの本のタイトルにも出てくる力道山との一戦が原因となっている。

共に国民的なスーパースターである両者の対決に騙し討ちの形で敗れた木村は、表舞台から姿を消して世間から名前を忘れられていくことになる。そんな木村の生涯をその世紀の一戦を軸に描いたのが本作品だ。

実に700頁にもおよぶ大作で、まだ序盤の100頁ほどしか読んでいないのだがこれがすこぶる面白い!

オレ自身格闘技ファンで、木村政彦の名前はもちろん、その強さも知っていたつもりだが、この本を読み進めるにつれて過小評価していたのではと思わされる。著者の尋常ならざる木村贔屓があるにせよだ。それだけにその木村が殺そうかと思うほど憎んだ力道山という人物にも自然興味が湧いてくる。

毛色は違うものの、以前読んだBORN TO RUNにも似た印象をこの本からは感じる。つまりは傑作の予感だね。

そんなわけでほんの少しでもプロレス・格闘技に興味がある人は是非とも読んでみてくれって話(´∀`)


木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
増田 俊也

新潮社 2011-09-30
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