3月9日金曜日バンコク→成田
【「死体博物館」へ】
正午少し前にホテルを出て、また渡し船で対岸へ。サパーンタクシン駅の下、サトーン船着き場からすぐ出る船があって飛び乗った。
乗った船はツーリストボートだった。停まる船着き場が少ないのはいいが、30THBと高いし、解説は誰も聞いていない。
王宮へ向かう観光客はター・ティエンで下船して行く。私はワンランで降りて西へ向かう。このあたりはシリラート病院の敷地で、その中に〈シリラート医学博物館〉がある。別名を「死体博物館」という。
方向を示す標識が病院の構内にあり、名簿に記帳して2階にあがると、そこが〈シリラート医学博物館〉だった。入場料40THB(112円)、撮影不可。
最初から奇形胎児やシャム双生児の液浸標本が出迎えてくれる。人体の仕組みや、変死体や、津波の際の検死のようす、犯罪者の死体(ミイラ)、ラーマ8世暗殺事件の解剖で使われた道具、などなど。休憩して帰ろうかと思ったらまだ続きがあった。今度は寄生虫の博物館。ちなみに、さらに別棟で解剖学博物館があるそうだ。
【船を間違う】
病院を出てしばらくしたら細い路地の市場に入り込んだ。面白いのでズンズン歩いていたら、左側に川があった。船着き場があり、きた船にすぐ乗ったのが失敗だった。カオサン方面へ北上するエクスプレスに乗るつもりだったのに、ワンロンから対岸のター・チャンに渡ってしまい、ずっと南に逆戻りしてしまった。
同じ船ですぐに戻るのが悔しいので、歩いて北上してみた。落ち着いて考えればわかるが、この暑いバンコクで無駄に歩くのは自殺行為だ。
次の目標はランチ、その後にマッサージ。カオサンの屋台と老舗マッサージ屋が目当てなんだが、近くに安い店があればそこでもいい。
【リバーサイドのレストランにて】
仏具通りみたいなところを行く。歩いているのも坊さんが多い。歩道に出ている店で商っているのは仏像、水晶、入れ歯などが多い。
屋台が連なる埠頭入り口に着いた。ター・プラチャンだ。中は迷路のようになっていた。川に突き出した食堂に入ってみる。店頭の写真ではカオパッ(炒飯)が40THBだったが、英語メニューではカオパッが60/80THB(鶏、豚/海老)になっている。ふむ。タイ語メニューを持って「カオパッ!」で注文してみた。さて、いくらになるか?
川沿いというよりも、川の上に張り出した席だが、「 ♪川沿いリバーサイド~」という哀愁はまったくない。むしろ場末感がただよう庶民の食堂そのものだ。
カオパッはなかなかおいしかった。「タオラァイ?」(いくら?)と勘定してもらったら、無事40THBだった。よしよし。
【マッサージ屋を探す】
いったん船着き場の外へ出て、「この付近にマッサージ屋多数」という情報をたよりに探すが2軒しかなく、一軒は厚化粧の年増が薬屋の奥で開業し、もう一軒ではオヤジがふんぞり返っていた。
ううむ。結局カオサンのあの店か。ター・プラチャンから渡し船でワンロンにいったん戻り、ワンロン船着き場では北行きエクスプレスと南行きエクスプレスが別の埠頭だったことが判明し、地図で確認しておばさんに「バイ・バンランプー?」(バンランプーに行く?)と聞いたら「15THB!」と返ってきた。
浮き桟橋で待つ。船に渋滞はないが、急ぐ旅は似合わない。
カオサン最寄りの船着き場に着いた。ここをずっと「バンランプー」と呼んできたが、それは古い通称のようで表示では「プラ・アチット」になっていた。でも地元の人間は「バンランプー」ということの方が多い気がする。ま、どっちでもいいということで。
【カオサンの老舗で】
すでに夕方が近く、涼しくなる気配に誘われて人出が増える時間帯になっていた。カオサンにあの懐かしい雰囲気が漂っている。無為の時間、酔ったような享楽の匂い。
看板を分析すると、マッサージは200THB/60分が標準らしい。ター・プラチャン近くは150THBだったから、あちらが地元価格か(ただし、表示価格での比較で実際のところは不明)。〈チャイディ〉でフットマッサージ30分+バック&ネック1時間コース(計90分)を330THB(924円)でお願いする。どうやら私のカラダはものすごくかたいようで、お姉さんが時々苦笑いをする。そして、時々ものすごく痛い。しかし最後には気持ちよくて寝てしまった。
ふう。体が軽くなった気がする。
船着き場に戻って船を待つ。上流ではラーマ8世橋が優雅な吊り橋のアーチを夕日にさらしている。船に乗っている間に日が沈んでいった。
30分かけてサトーン(サパーン・タクシン)に着く。BTSサパーンタクシン駅からサイアム駅へ。
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