アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

ワイン本は続く

2010-08-25 22:00:00 | ワインの本
「ソムリエを楽しむ」 田崎真也さんのファンなのでしょうね



「ソムリエを楽しむ」 田崎 真也(著) 講談社 1996年発行

1995年に第8回の世界最優秀ソムリエコンクールに優勝した良く年に発行されている
ワインブームが起こりソムリエという職業も脚光を浴びる

私を含めた俄かワイン好きが多数現われ
基本的に地酒であるために星の数ほどもあるワインの銘柄に一喜一憂する

先に紹介した「ワイン 味わいのコツ」もこの本も
写真や図解が基本的にありません
綴られた文章がワインへと人を誘う
百出するワイン入門書のどれよりもお薦めする本です

ただかなり田崎真也という人への思い入れがあることは否めません
一ファンとして読んでもらえればとお勧めします


ワインを楽しむコツは、人生を楽しむこと
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この本を読んで自らの性格を深く反省する

2010-08-24 22:00:00 | ワインの本
「ワイン 味わいのコツ」 とてもまじめなワインの飲み方


「ワイン 味わいのコツ」 田崎 真也(著) 柴田書店 1994年発行

ワインの蘊蓄を深める・・必要はない
しかし、ワインの誤った飲み方に固執している人はこの本を読みましょう
私には必読書でありました

楽しく美味しい食事のためのワイン
ワインを飲むためにワインを飲むのではないこと

ソムリエはワイン博士ではなく食事を楽しくするワインを勧める係
その場を楽しく印象深いものにするサービスも
ソムリエに求められる技術であり重要な要素である

知っておけば楽しいことは
知らなくても楽しく飲めないということではなく
知っていてもその場の雰囲気を壊したのでは意味がない
プラスの要素を引き出すためにこそ知識はかつようしなければ

世界最高ソムリエに教えられる1冊です


柴田書店から出ている本は一味違います(勝手な思い込みかな)
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王道のワイン ラベルの読み方の見本はロマネ・コンティ

2010-08-20 21:54:11 | ワインの本
「ワインの本」 タイトルはとてもストレート そしてワインの王道を知る


「ワインの本」 辻 静雄(著) 新潮社 (新潮文庫) 1982年

著者の辻静雄はフランス料理研究家にして辻調理師学校の創始者
しかい、大学は仏文科で読売新聞社に就職した後、料理研究家へと転身する
でも、製菓は和菓子やで料理の道とまったく縁遠かったわけではない

ある意味ではアレクシス・リシーヌよりがちがちの王道を行っている
料理研究家として三ツ星レストランのピラミッドなどなど
今でいうセレブ御用達のレストランのシェフやオーナーとも親しく
交友関係が逸話も交えながらさらりと紹介される
何しろラベル(気取ってエチケットと言わない)の見方を説明する
その見本がロマネ・コンティだという・・
多分、私には縁のない世界のはずが何か引き込まれて
自分にもそれが日常であるかのような錯覚に陥る
楽しみながらワインの教養を身につけるにはとても良い本だ

ついでにもう1冊

「フランス料理の手帖」 辻 静雄(著) 新潮社(新潮文庫) 1983年

先に紹介した「ワインの本」もソムリエのワイン解説書ではない
料理とワインという視点が随所に見られた
彼の料理研究家としての立場からフランス料理やレストラン(料亭)
居酒屋文化に言及した一般書も多数書いている
「ワインの本」はその中の一教養分野であり実践のためのテキストであった

「フランス料理の手帖」は文字通りフランス料理の「教養」がさりげなく書かれていて
フランス料理のイロハを身につけるには過不足ない「入門書」であるが
実践するためにはかなりの投資が必要だろう
しかし、読んでいると普段からそこに出入り居ているような気にさせる
フランス文学専攻で記者出身という文才に長けた人なのだなとつくづく思う
ここでもソムリエが紹介されワインと食事の蜜月について語られる

面白く読みながらワインとフランス料理のマナーや常識が身に着く
高級なレストランやワインを身近に感じさせる
ある意味、とてもコストパフォーマンスな良書です


ワインとフランス料理に王道ありと感じさせる
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「新フランスワイン」より新しい世界のワイン事情

2010-08-19 21:46:26 | ワインの本
「ワインづくりの思想-銘醸地神話を超えて-」 “プロヴィダンス”はどうして生まれたか


「ワインづくりの思想」  麻井 宇介(著) 中央公論新社(中公新書) 2001年発行

「新フランスワイン」がもう古典になってしまって
第三世界のワインがボルドーに肩を並べてしまった
現在に至る世界中の醸造家の努力と意欲を紹介している良書

スペインワインはフランスに輸出され
そこでネゴシアンがボルドーやブルゴーニュという名前をつけて売り出す
安いフランスワインの大半はスペインワインだと揶揄されていたのに
今ではスペインワインがブランドとなって
値段は高いがたいしたことのないフランスワインよりも
ずっと美味しいワインがある
というよりもフランスが築いてきたAOC(原産地呼称統制ワイン)という販売戦略が
地域を問わず醸造家の努力によって世界中で同じレベルの品質の高いワインが生み出され
少なくともボルドーと名前がつけばという状況ではなくなっている

その新しい時代にも試行錯誤はあり
アルミタンクによる工業的な醸造手法で先鞭をつけたドイツワインが
その手法のみに頼ったために消費者から飽きられてしまう

気象予測やブドウ栽培への科学的な管理が
ブドウ自体の出来不出来と言う概念を覆して
同一品種だけでも十分に美味しいワインを安定して作ることを可能にした
ヴァライタルワインが経験の浅い飲み手にも
醸造家ごとのワイン造りの違いを比較しやすくしてきた

そして科学的な品質管理がワインの均質化を加速したことで
次の差別化のためには有機ワインでありながら
これまでと同等のワインを造り出すまでの哲学を求め実現させる
亜硫酸塩をまったく添加しない「プロヴィダンス」は
ワインが根強く土地と気候によって(いわゆるテロワールやミクロクリマ)だけ語られるのではなく
生産者の哲学によって生み出されるものだということを実証した
有機ワインを飲んだらアルコール添加ぶどうジュースだった・・
もうそうんなことはない・・新しい時代となって来たのだ

随分回りくどくなってしまった
結論を言えば「世界中で美味しいワインができるようになった」
その経過が良く分かる本である
ぜひご関心のある方は読んでみてはどうだろうか


ワインの新しい時代を知る良書!!
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うんとドライなマティーニを

2010-08-18 21:38:04 | ワインの本
「バー・ラジオのカクテルブック」 ページをめくるたびにほろ酔いになっていく 意匠の美しさに乾杯


「バー・ラジオのカクテルブック」 尾崎 浩司、榎木 富士夫(著) 柴田書店 1982年発行

柴田書店とハードボイルドつながりになるのでしょうか
「バー・ラジオのカクテルブック」の紹介です
この本は書店のどこに置かれるべきなのだろうか
大きな書店には「柴田書店の本」というコーナーがあるので問題ないかもしれない
そうでないとしたら・・酒の本ではあるけれど、写真集やデザインブックなどの棚にあってもおかしくない
お酒を飲まない人も手にとって見てほしい本です

身開きに配置されたカクテルのグラスが素晴らしい
そしてカクテルが最も美しく見える写真は見飽きない

右がギムレット、左がマルガリータ

いずれもカクテルとして有名だ
ギムレットはレイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」の中で
「ギムレットには早すぎる」という名台詞としても有名である

右がマティーニ、左がゴブソン

マティーニはジンとベルモットのカクテルで
始めはそれぞれ1:1だったものが、どんどんジンの割合が増えて
ベルモットを1適とか、あのチャーチルは執事にベルモットを口に含ませ
耳元で「ベルモット」とつぶやかせ自分は「ジン」を飲んでいたなどという逸話も生まれている
マティーニもハードボイルドには欠かせないカクテルだろう

右がマレーネ・デートリッヒ、左がマリリン・モンロー

これはオリジナルレシピ
他にもハンフリー・ボガードとか名俳優を冠したオリジナルレシピが多数ある

なんでもやってみたくなる性格が災いして
この本を買ってからシェーカー、ミキシンググラスやストレーナーもちろんマドラーも買って
いくつか試してみました
カクテルは結構甘いお酒が多く
ジンはストレートでチェイサーと飲んだ方が好きだったり
ワインのバラエティを楽しむ方が先だったりと長続きしませんでした

ぜひ本屋さんで手にとって見てください


お酒が飲めない人にもお勧めできる美しさがあります
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”ワイン畑”を歩きたくなる本

2010-08-17 22:32:01 | ワインの本
「新フランスワイン」 ボルドーのシャトーを訪ねたような気にさせる


「新フランスワイン」  アレクシス・リシーヌ(著) 山本 博(訳) 柴田書店 1985年発行

何と言っても柴田書店の本である
書店の雑誌コーナーで内容に関係なく手にとって思わず買いたくなるものに
柴田書店の料理関係の雑誌がある
月刊誌「専門料理」とその別冊は思わず衝動買いしたくなる良いデザインであり
料理がすべて美味しそうで、道具がまたとても素敵だ
そうした誘惑に負けて月刊専門料理の「料理の基本は卵から」を買ってしまった・・
とりあえず、この雑誌のことは後日に

さて、この「新フランスワイン」書店で手にとって買ったのではなく
通販で、アマゾンでなく紀伊国屋のオンライン書店で買ったらしい
(記憶が定かでないが、本の間に納品票が挟まっていた)
1999年である・・ということはワインブームにのってワインを飲んでいたのは
1998年ころからだったのか・・
多分、ブルータスのワイン特集で紹介されていたので買ったのではないかと思う

さて、その内容はワインの王道、ボルドーに三分の一の紙数をさいていて
メドックからブドウ畑を歩きながら各シャトーを訪ねる形式で紹介してる
「ワイン畑を歩いている」という間違いは、意外といい線いっているのではないか
と思わせる描写が続く・・畑の傾斜、土の違い、風の流れ、寒暖の変化
それらがどんなワインを作るのか
ワインの蘊蓄の基礎を学ぶにはとても良い教科書ではないかと思う

しかし、この「新」とつく本も日本での出版は1985年で
本では1982年までの記述しかない
その後新しい版が出ている様子はなく
今では古典になりかけているのではないか

この後、ワイン醸造の技術革新や第三世界ワインの台頭で
当たり年という概念はかなりあやふやになって
いや、気象情報が正確になり直感を寄せ付けず
糖度の測定も科学的に行われ収穫時期に失敗すると言うことがなくなってきているようだ
フランスの醸造家が世界中で理想的な土地を捜しワインを作る
何よりも安くて美味しいワインが増えた最大の理由は
そうした広がりにあるようだ

古き良き時代を知るために
ワインを傾けながら読んでみるのにうってつけの本だと思う


シャトー巡りがしたくなる1冊です
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ソムリエ世界一とはどういうことか

2010-08-16 21:34:08 | ワインの本
「ソムリエ世界一の秘密 田崎真也物語」 100年近いヴィンテージワインを「死んだかぶと虫の匂いがする」と言い放つ感性


「ソムリエ世界一の秘密―田崎真也物語」 重金 敦之(著) 朝日新聞社 1995年発行

NHK hi-vision特集で「ワインをめぐる10の香りの物語 ~世界ソムリエ・コンクール2010チリから~」という番組が放送された
放送は15日だったが、録画しておいて見たのは今日、でこの本を思い出した

田崎真也は1995年の世界ソムリエコンクールで優勝した
それがどれぐらいすごいことか・・は今ひとつピンとこなかった
しかし、この本を読んで、その賞のすごさについてはいまだに留保があるものの
田崎真也と言う人のすごさには素直に感心するしかない
破天荒ともいえる人生をおくりながら
絶妙なバランス感覚で自分の進むべき道とやり遂げるべき目標に向かって
ものすごいエネルギー、情熱を持って進む
成功者というよりも求道者であり
ワインに関して我々凡人に対してエバンジェリストでもあるように思う

田崎真也が世界ソムリエコンクール東京大会で優勝したその頃
一時期ワインを良く飲み、特にチリワインを見つければ買っていた
ブームに弱い性格で、ワインブーム、特にチリワインブームに踊らされていたのだろう
ま、ボルドーの1級ワインなど買えるはずもなく(いまだに飲んだことがない)
ヴィンテージからはずれたコス・デス・トゥルネルとかピション・ロングウィル・コンテス・ド・ラランドが精一杯
比較対象のために無理して飲んでみたけれど、これがほんとに美味しいワインなのだろうか・・
ワイン雑誌もいくつか読んでみたが、そこで初めて田崎真也のことを知った
「美味しいと思った好きなワインを飲みましょう」
当たり前のことを言う奴だなあと思ったがそれは正論
推薦の安いが美味しいワインをいくつか買って飲んでみればとても美味しい
コストパフォーマンスであり、そこではチリワインもたくさん紹介されていた
フィロキセラに唯一汚染されていない土地
テレビにも良く登場するようになる
世界一になったのだからお声もかかるのだろう
ちょっと調子の良いおやじだなと思うが嫌みはないし話はとても説得力がある
どういう人物なのだろうかとこの本を見つけて読んでみた
そして、このひたむきさ故に彼は優勝できたのだと
単純な話にも深みがある様に思える理由もわかった気がした

こういう話の例にもれず「内助の功」の素晴らしさもある
しかし、一本のワインからどれだけのイメージを思い浮かべることがえきるのか
それを可能にするワインが優れたワインであり
ワインからインスパイアされる人生の深みが同時にワインの味わいを深めるのだと
そういうことを教えてくれる本であった


ワイン畑を歩いてみたいと思わせることでしょう
※ワイン畑って?!ボトルが木に生っている???ブドウ畑ですね
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