アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

なぜピアノの調律が演奏会ごとに必要なのか・・

2012-03-19 23:38:23 | ノンフィクション
目からウロコの音楽の本「音楽と数学の交差」

さすがamazon!どんなマイナーな本でも売っている!


「音楽と数学の交差」 桜井 進、坂口 博樹(著) 大月書店 2011年

本の表紙写真を簡単に表示するには
amazonのアフィリエイトを利用させてもらうのが一番楽だ
書名を入れて挿入するればよい
でも、この本はないんじゃないかなと思いましたがありました

小学生の時
どうして旋律に「調」があるのか不思議だった
ピアノの白鍵と黒鍵の並びにも納得いかなかった
なぜミとファの間は半音なんだ?
というよりすべて半音の間隔で並べれば
「調」を考えなくて済むのではないか??

そうした疑問にたいして学校では
そういうものだから覚えなくてはしょうがない
と突き放す(されたような気になった・・)だけだった

そしてこの本を読んで目からウロコ・・
ほんとに覚えるしか(聴き取るしか)ないんですね
そういう風に教えてくれていたら
もう少し音楽へのアプローチは違ったものになっていた
もっと好きになっていたかもしれない

長くなるけれど、目からウロコが落ちた一文は
「歴史上に様々な調律法が開発されてきました。しかし、その矛盾を完全に解決することはできなかったのです。
さてその矛盾とはいったい何でしょう。実は音律を構成する数列の違いなのです」
メロディーをもっとも自然に感じさせる音の並びは等比数列
和音をもっとも綺麗に響かせるための音の間隔は等差数列
だということです。

バッハもこの問題に骨折った大作曲家ですが
平均律の作品を全曲演奏する際にどれに最も合わせて調律をするか
伝記の中でもそれに腐心するバッハの姿が描かれていました
そういうことだったのだね

音律に隠された数学の話を紹介しながら「音楽の法則性」を解き明かし
人間の感覚の不思議を納得させる
こんな授業が受けてみたかったと思わせる一冊でした


私にとって最もためにった教科書のひとつです
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゾンビの謎を解く

2010-12-19 22:30:00 | ノンフィクション
「蛇と虹」フグにあたったら砂に埋めろという話


「蛇と虹―ゾンビの謎に挑む」ウェイド・デイヴィス著 田中 昌太郎訳 草思社 1988年発行

アマゾンとアフリカとラテンと・・
渾然一体となった文化のエキスが神秘体験を演出する

ブラックなキリスト教にインディアンの毒が結びつき
死んだことにしてしまえとなる
死後24時間埋葬が許されないのは
確かにそういう理由(どういう?)ではあるのだろう
意外と人間は死にきれないのだ

以下は別の場所で紹介した文書である

これはオカルトの本ではなくて文化人類学の本である。ゾンビ現象を科学していったら、なんと日本との深い関わりが発見された。日本にもゾンビがいたかもしれない。しかし、ただゾンビを作る方法が日本で可能だということだけではそうした文化は生まれない。そこのところが文化人類学という学問の領域になるのだ。「蛇と虹」を創造主とするヴ―ドゥーの神話の世界観があって初めてゾンビという現象を理解できる。この本をもとに「ゾンビ伝説」という危ない映画が作られたらしいが、この本はまっとうで、かつ面白い。「フーコーの振り子」でも語られる南米に奴隷として連れてこられた黒人たちの秘儀の集い。それは黒く暗いのではなく、無色の魂なのだ。


人は意外と死なない?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バッハの源流を知る伝記

2010-12-11 20:09:17 | ノンフィクション
「バッハ魂のエヴァンゲリスト」 バッハの伝道師が伝える音楽の伝道師の伝記

バッハ=魂のエヴァンゲリスト
礒山 雅
東京書籍

「バッハ魂のエヴァンゲリスト」 礒山 雅著 東京書籍 1998年発行

バッハの生涯や音楽を伝える本で最初に読んだもの
バッハの伝道師たる磯山雅氏の思い入れが伝わる
人間味溢れるバッハの生きざまを知ると
その音楽への味わいも深くなる
バッハが何故音楽の父であるのか
音楽に秘められた暗号は神秘主義によるのではなく
音だけではない信仰への思いが類まれなる才能によって編み込まれた
それも音楽の要素であることがわかる


人間バッハを知る良書である
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バッハこそ究極の癒し

2010-12-10 21:49:26 | ノンフィクション
「バッハの風景」 バッハの偉大さを検証する


「バッハの風景」 樋口 隆一著 小学館 2008年発行

著者は小学館の『バッハ全集』の刊行委員の一人
ベルリンの壁崩壊前の東ドイツでバッハ研究に携わったバッハ研究家
樋口隆一氏のバッハ論の集大成だということである

カンタータとか宗教音楽の成り立ちから
バッハ研究に生涯を注ぐ研究家たちの素顔まで
バッハの伝記だけではない面白さがある

特にBMWの7シリーズでドイツ国内駆け抜ける
それがバッハとどう関係するのか・・
バッハの楽曲がまた一段と趣深くなる1冊である


私もBMWでアウトバーンを駆け抜けたいと思わせる
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワイン好きが高じてワイナリーのオーナーになった人のパリ解説本

2010-08-22 22:00:00 | ノンフィクション
「パリ旅の雑学ノート -カフェ・舗道・メトロ」
「パリ旅の雑学ノート -レストラン・ホテル・ショッピング」
 これ2冊で大丈夫だった・・パリ一人旅



「パリ・旅の雑学ノート―カフェ/舗道/メトロ」 玉村 豊男(著) 中央公論新社(中公文庫) 1983年


「パリ・旅の雑学 (2冊目)レストラン/ホテル/ショッピング」 玉村 豊男(著) 中央公論新社(中公文庫) 1983年

今をさること30年前(そんなになるんですね)1980年の観光オフシーズン
知人を介してエールフランス航空の家族割引航空券(3泊付)というのを手に入れ
道路カッター工事のアルバイトをしてパリを一人旅したことがありました
その時ガイドブックとしたのがこの2冊

さすがにガイドブックとするには改訂がされていないのか
第2冊は絶版になっているかもしれません
もともとペーパーバックの単行本を持っていましたが
パリに行くと言う友人に貸したけれど帰って来ず
手元にあるのは買い直した新潮文庫版で
現在は中公文庫で1冊目の「カフェ・舗道・メトロ」しか手に入らないようです

1冊目はパリの雰囲気を知る読み物とすれば
時代が変わっても十分読まれるものだと思います
2冊目もそう言えなくはないのですが

メトロの乗り方、ホテルの予約と勘定、レストランやカフェで慌てないために
予行演習通りにやれたわけではないけれど、おおよその見当はつき
英語もフランス語もろくに喋れない貧乏学生が
7泊8日無事に帰ってこれたのはこの本のおかげ
「英語やフランス語が喋れなくてもなんとかなるぞ」と
より一層語学に手を抜くきっかけとなったという点では
良かったのか悪かったのか・・?

著者の玉村豊男はエッセイストで画家?で
ヴィラデストガーデンファーム アンド ワイナリーのオーナーでもある
ただ、ここのワインは美味しいかもしれませんがやや高い
(庶民には井筒ワインでしょうか)
美味しいワインを日本で作ってしまおうとワイナリーのオーナーになる
行動派で実践的な旅のガイドもそういうところから生まれたのだと思います

公衆トイレの使い方、チップの払い方、メトロの乗り方と
いまでも通用することではないかなと思います
この本とパリ区分地図があればパリ市内なら太鼓判(だった)の2冊です


雑学こそが余裕を作る、実践的なパリガイドブックです
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする