友人宅へ今年最後の忘年会へ行ってきた。
その家は東京郊外、小高い山の中腹にある。築百年は優に超そうという茅葺き屋根で囲炉裏のある家だ。集まったのは40年来の山の仲間と大学の同窓生の4人。残念ながらこの家の主はもういない。彼の偲ぶ会をすませ、そのお疲れ会を主のいない囲炉裏を囲み、主が好きだったすき焼きを久しぶりでやった。当初、肉は少し、ネギとシラタキ、焼き豆腐をたくさん食べようと思っていたのだが、思いのほか久しぶりの牛肉がうまく、いい年をしたオヤジが肉をほおばり酒、焼酎をあおり、明け方まで冗談を言い続けた。腹の皮がよじれた。
もちろん遠いところなのでその晩はその家で泊まり、翌朝、またビールから始まった。囲炉裏の火は昨日のまま、魚を焼き、餅を焼き、うどんを食べ、宴は冬の陽が山の端にかかる頃終わった。
遠くの山の上には黒い雲が漂い、明日の天気を暗示していた。