ぼたんくんとふわりちゃん

2010年10月17日、また猫と暮らしはじめました。

読書日記[16]装丁と和綴じと思い出と2

2024-08-30 17:53:58 | 読書
前回からの続きです。

和綴じ本は、欲しくて買おうか迷っているものもあるのですが、
今は一冊も持っていません。

でも、
文學堂さんの和綴じノートなら手元にあって、
これがとてもかわいい。



買ったまま使ってなかったけど、今回撮影をしたくて出してみる。



このノートのデザインは『斜陽』をイメージした柄。
最初のページに『斜陽』の一節が。



中の紙は真っ白でないのが良いですね。

この色味と手触りは文庫本っぽいから
この紙は淡クリームキンマリかな?
以前勤めていた会社では「クリキン」と略されていて
初めて聞いた時はなんだか美味しそうな名前だと思ったものです。



さらに『斜陽』で思い出すことがあって。


もうだいぶ前のことになりますが、
ある本の出版のお手伝いをしたことがあります。

著者さんの撮影やトークイベントなどがあって
そのときゲストで来ていたのが、
小説家の太田治子さんでした。

この時私は恥ずかしながらお名前を知らず
文豪太宰治の娘さんだと知ってとても驚きました。

手伝いというか見学に近かったので
お話する機会などはありませんでしたが
物静かな、とても素敵な方でした。

それをきっかけに読んだのが『明るい方へ』です。



この本で、母親の太田静子さんが書いていた日記のこと、
『斜陽』はその日記がほぼそのまま使われていることを知りました。

手紙のやりとりや関わりのあった方々の会話から
静子さんの当時の様子が詳細に綴られ、
さらに生まれてきた治子さんが語るその心情は
とても切ないものがありました。

撮影の様子を見ていて、斜めから見たお顔に、
教科書などでよく目にする「太宰治」の面影があったことを
たまに思い出します。



和綴じノートの綴じの部分がうまく撮れず
ぼたんの上に乗せてみた。



ひくとこんな感じ。



撮影中、ぼたんの向こうにうろうろしているふわり