前回からの続きです。
和綴じ本は、欲しくて買おうか迷っているものもあるのですが、
今は一冊も持っていません。
でも、
文學堂さんの和綴じノートなら手元にあって、
これがとてもかわいい。
買ったまま使ってなかったけど、今回撮影をしたくて出してみる。
このノートのデザインは『斜陽』をイメージした柄。
最初のページに『斜陽』の一節が。
中の紙は真っ白でないのが良いですね。
この色味と手触りは文庫本っぽいから
この紙は淡クリームキンマリかな?
以前勤めていた会社では「クリキン」と略されていて
初めて聞いた時はなんだか美味しそうな名前だと思ったものです。
さらに『斜陽』で思い出すことがあって。
もうだいぶ前のことになりますが、
ある本の出版のお手伝いをしたことがあります。
著者さんの撮影やトークイベントなどがあって
そのときゲストで来ていたのが、
小説家の太田治子さんでした。
この時私は恥ずかしながらお名前を知らず
文豪太宰治の娘さんだと知ってとても驚きました。
手伝いというか見学に近かったので
お話する機会などはありませんでしたが
物静かな、とても素敵な方でした。
それをきっかけに読んだのが『明るい方へ』です。
この本で、母親の太田静子さんが書いていた日記のこと、
『斜陽』はその日記がほぼそのまま使われていることを知りました。
手紙のやりとりや関わりのあった方々の会話から
静子さんの当時の様子が詳細に綴られ、
さらに生まれてきた治子さんが語るその心情は
とても切ないものがありました。
撮影の様子を見ていて、斜めから見たお顔に、
教科書などでよく目にする「太宰治」の面影があったことを
たまに思い出します。
和綴じノートの綴じの部分がうまく撮れず
ぼたんの上に乗せてみた。
ひくとこんな感じ。
撮影中、ぼたんの向こうにうろうろしているふわり