ねぇ、あんず。あなたはおじょうさまになりたかったのよね。
だから、おなまえもビクトリア杏っていってたわよね。
なのに、それなのに・・・・・・
楽しかったのはわかるけれど、思いっきり遊びたかったのもわかるけれど・・・・・
ままぁ、たのしいよぉ。
おにーたん、あじゅたのしいよぉ。
ぼーるみーつけた。
そして・・・・・
その後。
あんずちゃん、ちょっと・・・・・
ままぁ、あんずちゃんがねころんでる。
おようふくよごれちゃうよ。
ねぇねぇ、あんずちゃんってば。
おようふく・・・・・おようふく・・・・・
まま、まま、たいへんだよ。どうしよう・・・・・・
あ~きもちいいなぁ。へっちゃらへっちゃら。
つちのにおいってさいこー。
しょらちゃんもねころがってみてよ。いいきもちだよ。
おそらもきれい。
あ~さいこー。
もう、ぼくいくね。あんずちゃん、とってもきたなくなったよ。
おようふくも、からだも・・・・・・よごれちゃったね。
そうして、杏と空はもちろんシャワー室送りになりました。
もうご存じでしょうけれど、空が男の子、杏が女の子。そして、双子です。
ずっと一緒に、いつも一緒に大きくなりました。
でも、びびは杏が赤ちゃんの時から、ずっと目を離しませんでした。さすが、母親です。
空については、ガーデンテーブルに乗ったのを見た時だけ、三階から、もうダッシュで駆け下りていました。
空がびびままに叱られるのはその時くらいです。