NOBUの独り言日記

暇にまかせて、つまらないことを呟いています。

絵の値段

2023-02-08 11:56:00 | 日記

絵の値段は、あってないようなものだ。

超有名な画家の絵は、業者間でもある程度決まった価格があるようだが、それ以外は値段を付ける側の価値判断に過ぎない。

 

デパートや画廊で数十万円で売られている絵もインターネットオークションでは概ねその10分の1程度で取引されている。その位の絵は、ほとんどが本物で偽物は少ない。ただし、有名画家の絵が安い値段で出ているものは、ほとんど偽物である。

 

数十万の絵をインターネットで数万円で手に入れ喜んでも、それを古美術商などに持っていくと二束三文でしか引き取ってもらえない。美術品とは言え、有名画家以外は単なる古物、額縁代程度にしかならないのだ。普通の絵画は儲けを期待したり、資産価値を考えてはいけない。あくまで、その絵が好きか、その絵を飾って楽しみたいかで購入すべきと考える。

 

ただし、ポップアートのように世界的に人気が出て大化けするものもある。数十万で買ったものが何百万になることもある。アンディ・ウォーホルの絵がその代表的なものだが、数百枚も刷ることができるシルクスクリーンにそのような値が付くことは、おかしなものだと私は思う。既存芸術に反して作られたポップアート(大衆芸術)が、大衆の手に届かないものになってしまっている。皮肉なものだ。

 

一方、描いた絵がほとんど売れず、赤貧のまま生涯を終える画家も多い。ゴッホのように、生前は絵が売れなかった有名画家もいるが、亡くなった後も評価されず、埋もれてしまう作家がほとんどなのだ。食うや食わず、自分でキャンバスを作り、同じキャンバスを何度も塗りなおし絵を描き続ける。

 

そんな画家の一人が平澤熊一(1908-1989)だ。

新潟県長岡市に生まれ、建築を志して上京したが、絵画に関心を抱き、川端画学校で洋画を学んだ。池袋周辺のアトリエ村で活動したが、1950年に妻の出身地である宇都宮に移り後半生を送った。

死後、練馬区立美術館や栃木県立美術館で「平澤熊一展」が開催されたが、新潟県や栃木県以外ではほとんど知られていない。

 

以下は、平澤熊一の油絵やリトグラフである。