21世紀新訳・仏教経典(抄)

西川隆範編訳・桝田英伸監修

この世の由来-世記経   ~ジャンブー島その1〈スメール山(須弥山)〉

2011-11-20 19:04:53 | 経典
ある時、仏陀は修行者たちに告げられた。

 この世について。
 地獄や神々の世界について。
 世界を覆う災いと人類の誕生について。

このような事柄を、語り出されたのだった。


「比丘たちよ。聞くがよい。

この大地は深さ168000ヨージャナ(約117万6千km)。
そのはては限りもない。
地は水にとどめられる。

水は深さ3030ヨージャナ(約21210km)。
そのはては限りもない。
水は風にとどめられる。

風の深さは6040ヨージャナ(約42280km)。
そのはては限りもない。

大海は深さ84000ヨージャナ(約58万8千km)。
そのはては限りもない。


“山の王”たるスメール山は、
海水の中に84000ヨージャナ(約58万8千km)の深みまで沈み、
海水の上に84000ヨージャナ(約58万8千km)の高みまで聳える。

山にはいろいろな樹木が林をなし、
樹木のよい香りが林に満ち満ちている。

そこには多くの賢者や聖者、
大いなる魂や妙なる神々が住んでいる。

そして山の根底は、純金の真砂が基をなしている。


山には四方に丘がある。
高さ700ヨージャナ(約4900km)、七宝が組み合わさって出来ている。
丘はやがてなだらかになって、海へと続いている。

スメール山には七宝で出来た階段の道がある。
その幅、60ヨージャナ(約420㎞)。
道の両側には七宝で出来た塀が七重にある。
さらに七重の玉垣があり、
七重の細やかな網が覆い、
七重の並木がその道を厳かに飾るのだ。


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