仏陀は比丘たちに語り始める。
「かつて、〈天の神々〉は〈阿修羅の一族〉と闘い続けていたのだ。
ある時、〈忉利天主にして神々の王・シャクラ(帝釈天)〉が〈忉利天の神々〉に、こう告げた。
『汝らよ。
今から私と共に〈阿修羅一族〉との闘いに来てほしい。
そしてもし勝利を得たならば、〈阿修羅王・ヴィマラチッタ(汚れなき心)〉を捕えて〈五つの縄〉で縛り上げ、
この〈善法講堂〉に連れて来てほしい。
私は彼の王に会わねばならぬのだ』
この〈帝釈天〉よりの命を受けて、〈忉利天の神々〉は戦さの身支度を固めた。
同じ頃、〈阿修羅王・ヴィマラチッタ〉が〈阿修羅一族〉に、こう告げた。
『ぬしたちよ。
今からわしと共に〈忉利天の神々〉との闘いに来てくれ。
そしてもし勝利を得たならば、〈忉利天主・シャクラ(帝釈天)〉を捕えて〈五つの縄〉で縛り上げ、
この〈七葉講堂〉に連れて来てくれ。
わしは彼の王に会わねばならぬのだ』
この〈阿修羅王〉よりの命を受けて、〈阿修羅一族〉は戦さの身支度を固めた。
〈忉利天の神々〉と〈阿修羅の一族〉は、時同じくして鬨の声を上げ、共に闘いを始めた。
結果としては〈忉利天の神々〉が勝利を治め、〈阿修羅の一族〉を撃退した。
〈阿修羅軍〉が退く時に、〈忉利天の神々〉は見事に〈阿修羅王〉を捕え、
〈五つの縄〉で縛り上げ、〈善法講堂〉の帝釈天の許へと連れて行ったのだった。
*
〈帝釈天〉は
自らの城〈善法講堂〉のなかをゆったりと歩く姿を〈阿修羅王〉に示した。
〈阿修羅王〉は
はるか遠くに〈帝釈天〉が歩いているのを見つけると
〈五つの縄〉に縛られたまま、あらん限りの罵詈雑言を投げつけた。
しかし
それを聞いても〈帝釈天〉は何もしようとしない。
思いあまって
〈天帝の侍者〉は
〈帝釈天〉に向かって、歌でもって語りかける。
天帝よ何を恐れたもう 修羅は劣勢、誰の目にも明らか
あの悪態を止めさせたまえ 何故、黙ってお聞きなさるか?
〈帝釈天〉は
〈侍者〉に、歌でもって答える。
彼の王は、もはや大力は出せぬ 我もまた何を恐れようか
“大智ある士”とはいかなる者ぞ “無智の者”と争わぬ者ぞ
〈侍者〉は
また〈天帝〉に歌でもって申し上げる。
今だ服せぬ愚かな者は 忍び難い所作をし続けましょう
天帝よどうか杖で打ちすえ 己の愚かさ悔い改めさせたまえ
〈帝釈天〉は
〈侍者〉に、歌でもって答える。
私が常に言うところの“智者”とは 愚かないさかいには応じない者
〈悪態〉には〈沈黙を守ること〉と知る 即ちこれこそ、彼に勝る道
「かつて、〈天の神々〉は〈阿修羅の一族〉と闘い続けていたのだ。
ある時、〈忉利天主にして神々の王・シャクラ(帝釈天)〉が〈忉利天の神々〉に、こう告げた。
『汝らよ。
今から私と共に〈阿修羅一族〉との闘いに来てほしい。
そしてもし勝利を得たならば、〈阿修羅王・ヴィマラチッタ(汚れなき心)〉を捕えて〈五つの縄〉で縛り上げ、
この〈善法講堂〉に連れて来てほしい。
私は彼の王に会わねばならぬのだ』
この〈帝釈天〉よりの命を受けて、〈忉利天の神々〉は戦さの身支度を固めた。
同じ頃、〈阿修羅王・ヴィマラチッタ〉が〈阿修羅一族〉に、こう告げた。
『ぬしたちよ。
今からわしと共に〈忉利天の神々〉との闘いに来てくれ。
そしてもし勝利を得たならば、〈忉利天主・シャクラ(帝釈天)〉を捕えて〈五つの縄〉で縛り上げ、
この〈七葉講堂〉に連れて来てくれ。
わしは彼の王に会わねばならぬのだ』
この〈阿修羅王〉よりの命を受けて、〈阿修羅一族〉は戦さの身支度を固めた。
〈忉利天の神々〉と〈阿修羅の一族〉は、時同じくして鬨の声を上げ、共に闘いを始めた。
結果としては〈忉利天の神々〉が勝利を治め、〈阿修羅の一族〉を撃退した。
〈阿修羅軍〉が退く時に、〈忉利天の神々〉は見事に〈阿修羅王〉を捕え、
〈五つの縄〉で縛り上げ、〈善法講堂〉の帝釈天の許へと連れて行ったのだった。
*
〈帝釈天〉は
自らの城〈善法講堂〉のなかをゆったりと歩く姿を〈阿修羅王〉に示した。
〈阿修羅王〉は
はるか遠くに〈帝釈天〉が歩いているのを見つけると
〈五つの縄〉に縛られたまま、あらん限りの罵詈雑言を投げつけた。
しかし
それを聞いても〈帝釈天〉は何もしようとしない。
思いあまって
〈天帝の侍者〉は
〈帝釈天〉に向かって、歌でもって語りかける。
天帝よ何を恐れたもう 修羅は劣勢、誰の目にも明らか
あの悪態を止めさせたまえ 何故、黙ってお聞きなさるか?
〈帝釈天〉は
〈侍者〉に、歌でもって答える。
彼の王は、もはや大力は出せぬ 我もまた何を恐れようか
“大智ある士”とはいかなる者ぞ “無智の者”と争わぬ者ぞ
〈侍者〉は
また〈天帝〉に歌でもって申し上げる。
今だ服せぬ愚かな者は 忍び難い所作をし続けましょう
天帝よどうか杖で打ちすえ 己の愚かさ悔い改めさせたまえ
〈帝釈天〉は
〈侍者〉に、歌でもって答える。
私が常に言うところの“智者”とは 愚かないさかいには応じない者
〈悪態〉には〈沈黙を守ること〉と知る 即ちこれこそ、彼に勝る道
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