瀋陽での出来事 / まさかバスが?
北京空港でのライター騒ぎから解放されて、無事飛行機に乗り込み瀋陽へ到着。出迎えの人たちに歓迎されて一同バスに乗り込みいざホテルへ。
ところが、バスに乗った瞬間からどうも様子が怪しい。私たち全員がバスに乗って空港から市内のホテルに向かって走りだした瞬間からバスの運転手が何故かエンジンをさかんにブーンブーンと吹かしていたのだ。初めのうちはエンジンの調子が少し良くないぐらいだと思って、気に留めもしなかったがバスが信号で止まったり、走りだしたりする度にエンジンを吹かしたり、クラッチを入れたり、外したりしていたので、段々エンジンの事が気になりだして仕方なかった。
正直、見た目にもバスが古く、あまりいい感じはしなかったのに、エンジンまで怪しくなってきたので、みんなもそれに気づいたのか不安な様子だった。そして、そんな不安が現実のものになるのにそんなに時間はかからなかった。
バスが市内に向かって走り出してほんの10分から15分程過ぎた頃であった。それまで運転手がごまかしごまかしでバスを動かして来たが、機械は正直なもの。運転手の必死の努力にもかかわらず、とうとうエンジンが悲鳴をあげて動かなくなったのである。
それでもガイドは「エンジンの調子が良くないので車を止めましたが、すぐに直りますので安心して待って下さい。」と見栄をはって説明をしていたが、運転手が自力で故障を修理すると言って、車体の下に潜り込んで作業を始めたが、いくら時間が過ぎても一向にバスの故障が直る気配はなかった。
高齢者が多かった私たちの一行は、大人らしく最初は何も言わず、ただ静かに待っていたが、いくら待っても車が直らないので段々イライラがつのりだし、とうとう堪忍袋の緒が切れしまったようで、ガイドに向かって「いったいいつになれば直るのですか?ダメなら早めに判断して代わりのバスをよこしてください。」と抗議をしだしたのです。
そして、暫くその場で「バスを交代させる、させない」の問答を繰り返したあと、結局交換することになり、私たちは1時間半程、炎天下の道路上で待たされて、ようやく新しいバスに乗り換えることになったのでした。
あまりにも長く路上で待たされていたからか私たち一行は、新しいバスに乗り込むやいなや、万歳でも叫ばんばかりに歓声をあげ「あ~涼しい~。やっぱりクーラーが一番や」とか「あ~疲れた。もうクタクタや~」と語りながらみんなようやく安堵した様子であった。
結果的にこうなるなら、バスの交換をもっと早くしてほしかったが、日本では考えられないこんな事が起きても、抗議も出来ないまま、我慢をしいられるのが中国旅行のまた一つの常識かもしれません。
関空から北京へ、北京から瀋陽へと向かった、たった二日間の旅路で嘘のようなトラブルに次々と巻き込まれ、散々なスタートになったのがこの度の旅行でした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます