雑誌「BIRDER」をぱらぱらめくっていると、鳥を見に行くためだけの旅行ツアーの広告が掲載されていた。
ワイバードというバードウォッチングツアー専門の旅行会社(日本ではここだけとのこと)で、でも今年の9月で旅行業はやめてしまうそうだ。へー、そんなのがあるんだねと思いながらツアー一覧を見て、気がついたら申し込んでいたのが今年の2月。
山梨県の河口湖のあたりへコルリを見に行くというものだ。
コルリに限らず、夏鳥はさっぱりわからない。
白鳥はシベリアに帰ってしまったけれど、せっかくだから鳥見は続けてみようと思ってビギナー探鳥会へ行き、双眼鏡を買ったのが昨年の4月。昨年夏の写真を振り返ってみても、写っているのはホオジロ、ツバメ、シジュウカラ、コゲラ、ムクドリ、モズ、エナガなどなど、いわゆる「夏鳥」の写真はない。
夏の盛り、いつもの菅生沼遊歩道の途中でキビタキの声には気づいたけれど、ついぞ姿を見つけることはできなかった。
秋〜冬は少し慣れてきたことと、探鳥会にも通ったおかげでいくらか鳥を見つけられるようにはなってきたけれど、そんなわけで実質、初の夏鳥シーズン(笑)
一泊二日のバスツアーは朝の8時に新宿発。参加者は16名で8割女性、年齢層は高め。
普通の一泊二日の旅行よりやや割高かつマニアックなこんなツアーに出すお金がある、自分で運転できない、自分で鳥を探すことができない、効率よく鳥を見たいなどなど、もちろん直接聞いてまわったわけじゃないけれど、2日間様子を見ているとこういう理由で参加してるんだろうなあ、という印象だった。
前置きはいいとして、このツアーのキモは2日目早朝にできるだけたくさんコルリを見ること。それ以外の時間ではいろんな夏鳥を見ましょうということで、まず10時前に着いたのは富士吉田市の運動公園。高校総体の県大会をやっているようだった。
歩き始めると「ピリリ、ピリリ」と鳴きながらあらわれたサンショウクイ。声しか聞いたことなかった鳥の姿をいきなり見ることができた。
先日の奥日光で鳴き声はたくさん聴いて覚えてたので、復習。
ガイドさんいわく「日本一かわいい鳥」とのこと。同意します(笑)
キビタキはいつも声ばかりで、探鳥会に行って「キビタキいましたよ!」とスコープをのぞいても飛んだあととか、私の中できちんと見られない鳥No.1。
でもやっと今回ゆっくり観察できたし、写真も撮ることができた。
風が強かったのでバスで食べる人も多かったけれど、車内にこもる食べ物のにおいが苦手な私は外へ。
すると正面に見える木に何か飛んできた。近くのベンチにいたガイドさんが「イカルですよー!」と。
イカルもスコープでチラッと見せてもらったことしかなかったので、むしゃむしゃごはん食べているところが見られてうれしかった。
くちばし強そう!
あれですね、若い人は聞こえるという(笑)本物は一度も聞いたことなくて、調べて聞いたさえずりは虫のような高い声だったはず。
耳を澄ませてみると、聞こえた! しかもかなり距離が近く、イメージより大きな声。
写真に撮ることはできなかったけれど、飛んだところを見ることはできた。
しばらく待っていると言った通り次々と小鳥があらわれた。
最初はビンズイ。このあとヒガラも来た。
バスに乗る前にはコムクドリも登場。芝生にはホオジロも歩いていた。
山梨県側からの富士山もここで初めて見たけれど、静岡側や空からみるのとはまた趣が違う。
なんとかここまでは降らなかったけれど雲の色が「雨降るぞー!」みたいな感じに変わってきて、鬱蒼とした林は夕方が近づくにつれ更に暗くなってきた。
でも「すごーい、キレイ!」と言っていたら、これはまだ若い個体で、歳を重ねたオスはもっと青がきれいだとガイドさんが教えてくれた。
でもあなたもキレイよ。
次の日は5時出発なので早く寝ようと思うのに、この日一日だけで印象的な鳥や場面が多すぎて、脳みそが沸騰して全然眠れない(笑)
それくらい楽しい一日だった。
※2日目前半の②はこちら。