
兵庫県、丹波篠山市に位置する、本篠山です。
神姫バスのグループ会社である、ウイング神姫が発着します。

黒豆で有名な、丹波篠山。
鉄道の最寄駅はJR福知山線の篠山口駅で、そこから距離にして約5km離れた場所に位置します。
街の中心部から外れた場所にあるのが、今回紹介する本篠山の停留所。なかでも、篠山口方面の乗り場は、まるで鉄道のプラットホームのような様相です。それもそのはず、本篠山は、かつて国鉄(省営)の自動車駅でした。上記画像では、プラットホームの奥に空き地がありますが、ここに駅舎があり、営業所がありました。

駅舎が解体されてしまったので、残る自動車駅時代の名残は、このプラットホームです。
かつては、園篠線(えんじょうせん)と呼ばれ、園部~篠山口間を結ぶ本線を主軸に、多くの支線を持っていました。

現在のプラットホームには、ウイング神姫のポールと、ベンチが置かれています。

篠山営業所方面のバス停は、反対車線です。
こちらにはプラットホームはなく、バスポールが置かれているだけです。

私が訪問した2023年11月現在の時刻表(篠山営業所方面)
ウイング神姫・篠山営業所のメイン系統だけあって、便数は多いです。
主に、JR福知山線の篠山口駅と篠山の市街地を結ぶ役割を担っています。

続いてプラットホーム側。
ウイング神姫の篠山口駅行きが出発しました。

2023年11月現在の時刻表(篠山口駅方面)

かつての駅舎(営業所)跡。
最後は福知山営業所篠山支所という扱いでした。

「園篠線発祥之地」の石碑
園篠線の歴史は古く、国鉄が鉄道省だった時代です。1934年(昭和9年)に篠山(現在の篠山口駅)~原山口間が開業。その後、山陰本線の園部まで延伸し、その名前のとおり、園部駅と篠山口駅を結ぶ園篠線の形態が完成しました。

その後、多くの支線を有し、本篠山はその基地として機能します。
園篠線は、省営バスの4原則「先行・短絡・代行・培養」によるところの(福知山線と山陰本線の)「短絡」に当たりますが、1944年(昭和19年)に開業した国鉄篠山線の「先行」にも該当します。国鉄篠山線は、篠山口~園部間を結ぶ鉄道を目指しましたが、結果的に篠山口~篠山・福住間が開業したところで、打ち止めとなり、盲腸線で終わった篠山線は、1972年(昭和47年)に全線廃止となりました。もともと国鉄バス園篠線の走っていた区間ということもあり、鉄道代替の役割も担うことになりました。
その後、国鉄の分割民営化を経て、園篠線は西日本JRバスに引き継がれましたが、不採算路線として2002年(平成14年)に撤退をしました。
撤退後に路線は分割され、篠山口側は神姫バス(現ウイング神姫)に転換、園部側は園部市が京都交通(現京阪京都交通)に委託、その他、スクールバスへの混乗、乗合タクシーに委託が行われ、現在、本篠山を発着しているのは、神姫バス(現ウイング神姫)に転換した路線です。
<撮影2023年11月>