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Retro-gaming and so on

World Cup '94 & FIFA: Road to World Cup 98

みんな、ワールドカップ盛り上がってた?
僕個人は全く関係ない生活送ってたんだけど。

いやさ、正直、日本でワールドカップ、って全員が全員盛り上がってるとは思ってねぇんだよな。全員がサッカーファンたぁ限らない。
やっぱ野球なんかに比べると熱入れてる層は限られてる、って気がするわけ。
まぁ、4年に一回のイベントだからオリンピック並の周期って言えばそりゃそうだろ。
でも極限られた層にしかアピールしてねぇんじゃねぇか。

いや、そう言うだけの理由はある。
ホントにみんなが熱狂してるのなら、関連グッズがもっと出るだろ、とか言う気がしてんだよな。
特にビデオゲーム。そういうお祭りに合わせてサッカーのビデオゲームを出して商売にする、ってのが欧米の流れなんだけどあいにく、あんま日本でそういうビジネスって見えないんだよな。俺が知らんだけ、か(笑)?
FIFA、つまり国際サッカー連盟公式のビデオゲーム、とか、Electronic Artsが今は契約して出してるわけだけど、邦訳版とか真面目にやってる?何か日本だけハブられてない(笑)?邦訳しても売れない、って思ってるのか。
まぁ、海外のスポーツビデオゲーム市場程日本のそのテのゲームの市場が大きいわけじゃない、ってのは事実なんだが、それでも一定数のサッカーファンが本当に「実在」するなら売れると思うんだよなぁ。
つまり、日本のサッカーファンの総数ってのは「ビジネスになる」だけの閾値にいまだ達してねぇんじゃねぇの、ってのが僕が思ってる事だ。
要するにな、「ニュースとして」ワールドカップで日本がどれだけ頑張ったか、「一般教養的な話題」としては人は関心を払ってるだろうけど、「熱く応援する」程ではねぇんじゃねぇか、と。
どうもマスコミの「報道」と市井の人の「熱」に差があるような気がしてるんだ。
だからEA Sportsとか、日本でマトモに「サッカービデオゲーム」市場がある、って思ってないんじゃねぇか、とか。
で、EA Sportsが考えてる通りだと思ってる。

んで、ちと調べてみたんだけど。
日本でおそらくサッカー熱がビデオゲーム、って商売を巻き込んで一番加熱してたのは1994年なんだよな、多分。アメリカで開催されたワールドカップだ。
この時一番、多数のプラットフォーム向けにFIFA公式のサッカーゲームが溢れかえった。
ちなみにこの時期はまだElectronic ArtsはFIFAの版権を取ってなくって、それまではイギリスのVirgin MastertronicかU.S.Goldと言うメーカーが主に単発でFIFAから許可を貰ってワールドカップのゲームをリリースしていた。
これの理由としては、当然サッカーが一番人気あるのはサッカー発祥の地、イギリスだから、だ。加えるとアメリカはアメフトの国なんだけど、この時点ではまだアメリカでサッカーは大して人気が無かったんだわ(今だとどうだろ?)。従って、Electronic Artsのようなアメリカの会社は「サッカーがアメリカ国内で金になるゲーム」だとは全く考えてなかった事が伺える。

さて、FIFAのワールドカップの歴史は1930年に遡る。第二次世界大戦中はさすがに行われなかったが、それまでに4年毎に3回開催し、終戦後1950年から第4回からスタートさせる。
そして1986年、第13回、メキシコでの開催時に初めてFIFA公式としてビデオゲーム化される。
しかし、この時はホント、マーケットは完全にイギリス向け、ってカンジになっていて、ZX SpectrumとかAmstrad CPCとか「ナニソレ?」って言いかねないプラットフォーム向けに出ている。
いやよ(笑)、現代と様相がかなり違う、って分かんだろ(笑)?サッカー人気も、プラットフォームビジネスも、当時はやっぱ今とは違ってかなりローカルだった、ってのが見えるでしょ(笑)?
次、もうちょっと「マシになった」のが1990年、イタリア開催での第14回FIFA ワールドカップだ。この時、初めてDOS機、つまり今で言うWindowsにFIFA ワールドカップが移植される。
ついでに言うと家庭用ゲームコンソールでのデビューもこの年だ。基本的に、サッカーは当時では「ヨーロッパ系の国の嗜み」だったので、ヨーロッパ市場で強かったセガのコンソール向けに移植される。

DOS版。出場国がベルギー、イタリア、イギリス、スペインの4カ国しかまだない、仕様(笑)。当然日本はまだいない。っつーか、Jリーグ成立が1993年なんで、この頃はまだ、ワールドカップに出ようがなかったんだ。
ちなみに、実はこのゲームはワールドカップ用に作られたわけではなく、ワールド・トロフィー・サッカーと言うビデオゲームの改変作だ。

セガ・マスターシステム版。版権はヴァージンだが、DOS版に比べるとかなり「良く」なってて参加国も増えている。と言うよりDOS版と名称は同じだが全く違うゲームだ。そして、日本は当然参加していない。ちなみに、この時は見下ろし型だ。

 







メガドライブ版。これもタイトル画面はマスターシステム版と同じなんだけど全然別のゲーム。元はセガから1989年にリリースされた、FIFAとは関係ない「ワールドカップサッカー」と言うメガドラ用のゲームで、ヴァージンがそのゲームを流用して、FIFAから許可を取って如何にもFIFAのワールドカップ、としてでっち上げたわけだ。
そういう理由で、Jリーグが成立する前なのに、日本が参加可能なようになっている。

さて、この次のワールドカップ(1994年)がおそらく日本では歴史上一番盛り上がったワールドカップなんじゃないか。
前年の1993年にJリーグが成立、そして日本が初めてワールドカップに挑戦する、ってぇんで期待が高まる(実際は予選で敗退する・・・後にドーハの悲劇と呼ばれるが、ぶっちゃけ、良く知らん)。
いや、実際、商売として見ると、欧米でリリースされてるFIFAのワールドカップネタのサッカーゲームで、邦訳が成されてメジャープラットフォーム(つまりスーファミだ)で出ました、ってのはこの年のヤツが一番最初だったんじゃないか(これ以前は日本未発売、だ・・・メガドライブ版は原作が日本のゲームとしても、だ)。
あとにも先にも、ビデオゲーム、と言うキーワードで見るとこの年が一番で、あとは商売としては下降していってる、ってのがホントのトコだと思う。

DOS版。FIFAから今回版権を取ったのは、またもやU.S. Goldと言うイギリスのメーカー。そして今回はこのDOS版を元として移植が行われる。日本未発売。


セガ・マスターシステム版。当然日本は参加していない。日本未発売



セガ・メガドライブ(ヨーロッパ)/ジェネシス(北米)版。こちらも日本は参加していない。日本未発売。



セガ・ゲームギア版。マスターシステムとほぼ同性能なんで、マスターシステム版が出れば移植は比較的簡単、だ。日本未発売。

とまぁ、ヨーロッパでセガの販路が強かった為、セガが先行してセガのプラットフォームで盛り上がってた、と言うカンジだ。
もっとも日本のセガは海外でどれだけ上手く行こうと全然関係ない会社なので、日本国内にこれらを持ってこようとはしなかった。相変わらずのセガだ。
ここで、任天堂のサードパーティ、サンソフトが動く。このソフトをスーファミに持ってきて、当時のワールドカップの盛り上がりに彩をつけようとする。




ついでにサンソフトはゲームボーイ版もリリースする。




ここまで、が現在の視点で言うと「ワールドカップのビデオゲーム」前史だろう。
この後のフランスのワールドカップ '98から、版権はElectronic Artsが完全に押さえるようになる。それまでアメリカ国内の会社だった事もあってサッカーにさして興味を抱いてなかったようだが、この94年の大会から「金になる」と思うようになったんだろう。従って、この次の大会からイギリスの会社が中心となってた、からアメリカの会社に主導が移るわけだ。
また、プラットフォームが1998年、と言う事もあって、プレイステーションとNintendo 64が中心となる。そうなると個人的にはあまり「レトロゲーム」とは呼びたくないんだけど(笑)、いずれにせよ、海外では「FIFA: Road to World Cup 98」と言うゲームがワールドカップネタとしては最後のスーファミ/メガドライブ用のゲームとなる。





セガ・ジェネシス(北米版メガドライブ)版。やっと初めて日本が「公式に」出場している。なお、ここで初めてトップビューじゃなくなった。日本未発売。

  

 

 


SNES(北米版スーファミ)版。メガドラ版より色味が明るい。日本未発売。




ゲームボーイ版。日本未発売。









プレイステーション版。やっと国内発売。もっともこの時期だとプレステで出さんでどこで出すんだ、ってカンジ。
ただし、旧ゲーム機より映像演出は良いが、とにかく重い。ローディングに時間がかかりすぎ。こういう弱点のゲーム機だったんだなぁ、と。








Nintendo 64版。日本国内だとNintendo 64はプレステに負けた印象しかないが、ワールドカップ関係のゲームは実は多い。しかもこの時期のゲーム機ではダントツの綺麗さを誇る。

これ以降だと、コナミがNintendo 64上では結構頑張ってサッカーやワールドカップ関連のゲームを出してた印象だが、全般的にはサッカー人気は「上がってる」とは言えず、結果あまりサッカー/ワールドカップ関係のビデオゲームは日本では失速していく印象になる。
印象だけ、だけどな。
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