「風立ちぬ」で思い出すのは、堀辰雄の小説と、スタジオジブリの映画と、松田聖子のヒット曲ですね。
松田聖子の曲は、ひとまず横に置いておいて・・・・・堀辰雄の小説と宮崎駿監督の映画のいずれも生(と死)を主題としているのですが、その主題と"風立ちぬ"というタイトルの関係を、あまり理解していませんでした。
しかし、何十年ぶりかに読み返そう(99%忘れてます!)と小説を開いたら、いきなりそこに答えが書いてありました。"風立ちぬ"に続く句があったのです。
「風立ちぬ いざ生きめやも」
と、
原文は、ポール=ヴァレリーPaul Valéryの『海辺の墓地』という詩の一節からの引用です。
Le vent se lève, il faut tenter de vivre.
直訳的には”風がおこる。生きようとしなければならない”というような意味だそうですが、それを堀辰雄は「風立ちぬ いざ生きめやも」としました。
凡人には絶対できない格調高い訳でしょう!
スタジオジブリの「風立ちぬ」のキャッチコピーでは【生きねば!】としていますが、直截で分かりやすい表現ですね。
「風について①〜風は息〜 (2024/11/21アップ)」にも書きましたが、風は地球の息。地球の息は、人々に生きる力を吹き込んでくれるのです。
「風立ちぬ いざ生きめやも」
生きることに疲れた人は海に行こうよ!
そこには風が吹いている筈さ。
頬に優しい風を感じたら船に乗って海に出ようか?
帆いっぱいに風を受けとめて、水平線に向かって帆走したら、「生きてるって素晴らしい!」と心の底から感じられると思うんだ、、、
少なくともヨット乗りは、それを肌で知っていて、海に出るたびに”エネルギー・チャージ”してるみたいです。しかも、バラスト比の高い重排水量型クルーザーの粘り腰並みにヨット乗りはしたたかなのですよね〜。(誰が言ったか ”ゴキブリみたいにしぶとい” という言い草はヨット乗りに失礼千万ナリ!)
(拝借先)
ところで・・・
松田聖子の「風立ちぬ」なんですが、私の好きな松本隆と大瀧詠一コンビの作詞作曲によるものにもかかわらず、♪風立ちぬ 今は秋 今日から私は 心の旅人♪と、なんとも軽々しく憂いの無い平板な歌になってますねぇ。残念至極でアリマス!(あくまで個人の感想です。聖子ちゃんファンには申し訳ない。)
2024/12/5
キャプテンT島氏が”故障者リスト入り”しているので、本日もシングルハンドにてドックアウト。
風が弱くてちっとも進まず、小春日和のそよ風に弄ばれただけでした。イライラさせられたけど、やっぱりセーリングは楽しい!