風に関する船名で私の記憶にあるのは、
スハイリ、カムシン、マカニ、疾風、早風、風早、潮風、磯風、春風、春一番、涼風、東風、トレードウィンド 等です。あくまで私の知ってる限りですから、当然まだまだたくさんあることでしょう。
初めて無帰港世界一周したロビン・ノックス・ジョンストンの”スハイリ(suhaili)”は、ペルシア湾の南東強風の意で、曇天、雨天をもたらす風だそうです。
シーボニアにある美しい木造ヨットの”カムシン(khamsin)”(S&S38)北アフリカやアラブ地方で吹く暑い乾燥した砂漠風の意だそうです。マセラッティのスポーツカーのモデル名にもあるそうです。(ヨーロッパ人がクルマを売るには風をイメージさせているのではないかという指摘アリ!)
”マカニ(makani)”はYBMで見かけた艇。makaniはハワイ語で風のこと。比較的強い風のイメージがmakaniで、そよ風という意味合いではモアニ(moani)だそうです。
”疾風(しっぷうまたははやて)”は、ビューフォート風力階級で言うところの17〜21knotの風で、英語だとFresh breeze。
”早風”と”風早”という船名のうち、風早(カザハヤ)は風の名前というより、葉山町にある地名です。(他にもそういう地名あるようです。)
”潮風”と”磯風”は、相反する風でしょう。
潮風は海から吹く風。磯風は磯から吹く風。これは言い換えると海陸風、すなわち日中の気温上昇に伴い海から陸に向かって吹くのが海風で、夜に気温が下がることによって陸から海に向かって吹く風が陸風ですよね。それを別の言葉で潮風・磯風と言ってると思う(?)のですが、両方の言葉が船名になっているところは面白いと思います。
”春一番”は、懐かしのキャンディーズのヒット曲にもあるように、春を告げるように2月頃に吹くその時季初めての南寄りの強風ですが、故野本謙作先生の愛艇としてあまりにも有名ですね。
私が、もしも、もしもですよ、風に関係する船名を命名する機会があれば、”凱風”とか”薫風”なんていいかな?意味は"初夏のそよ風"ですから、英語で言うところの”シーブリーズ”ですね。
SEA BREEZE(シーブリーズ)も爽やかな感じがいいのですが、例の化粧品のイメージが強すぎるかなぁ?容器にはヨットの絵も描かれているねぇ。
ハワイ語でシーブリーズの意味では”MOANI”ということで、マハロパパ的には注目の船名候補です。”Moani Ke’Ala(モアニケアラ)”は「良い香りのするそよ風」の意味となり、ハワイアンミュージックでも歌われており、マハロパパとしては最有力候補ですね❣️(もう造らないのに何をたわ言を言ってるんでしょうね?)
そういえば、、、1982年のハワイで行われたパンナム・クリッパーカップで総合優勝したのが、今やレジェンドと言える"飛梅(タカイ39ft) " です、、、
"飛梅"とは、平安時代に菅原道真が大宰府 (だざいふ) に左遷されたとき、庭の梅の木に「東風 (こち) 吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」の一首をかけて去ったところ、その梅の木が道真を慕って、大宰府にまで飛んで行ったという故事にちなむ梅の木ですから、この船名も風(東風)に関係する船名でしょう。東風は太宰府ばかりかハワイでも吹いたのです!
(Offshore誌1982.10号より)
2024/11/26
諸磯行くも、セーリングはせず、給油10リットルと船底(水線辺り)のフジツボを突ついてきました。オイル量を測ったら下限近かったので、帰りに1リットル缶を買って帰りました。次回補充の予定です。