富山まで旅に出て、富山県美術館とともに楽しみにしていたのがコチラ、「TOYAMAキラリ」。
富山駅から路面電車で10分ほど、西町駅からすぐの街中にある建物です。
ガラスと鏡で彩られた外観は、立山連峰の峰々の山肌を表現しているのだそうです。
(ちなみに、TOYAMAキラリに近接する野村證券は、TOYAMAキラリの開館に合わせ、都市景観に配慮して屋上にあった大型赤色看板を撤去したのだとか。素敵な配慮ですね。)
■空間を贅沢に使った開放的な建物
館内にはいると、外から見たときの”キラリ”とした雰囲気との違いに驚きます。
中は木でいっぱいの暖かい雰囲気の空間。
そして、2階から6階まで、四角い枠を回転させながら積み上げたような「スパイラルボイド」の開放感のある広大な吹き抜けを思わず見上げてしまいます。
設計の中心となったのは、2020年の新国立競技場の設計者でもある隈研吾さん。先日、東京ステーションギャラリーで「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」も開催されていましたね。
■ユニークな館内サイン
館内サインもユニーク。
可愛らしいフォントだなぁと思ったら、この建物にあわせて作ったオリジナルフォントなのだそうです。
このほか、館内の什器・ファブリックなども隈研吾建築都市設計事務所によるものだそうです。
■もしかして…目の錯覚?!
木材に囲まれたこの建物ですが、よく見ると柱は鏡でできているんですね。
柱に映り込んだ木材が天井や壁面の木材と繋がって見えるので、柱がないように広々と感じられるのも面白いです。
入った時に、圧倒的に ”木材“ の印象を受ける建物なのですが、よく見てみると富山県美術館ほどの密度でぎっしりと敷き詰められているワケではなく、地の壁がむき出しになっています。
でも、立体的な木材の使い方と、鏡の柱の効果の両方で、”木”の印象だけが頭に刷り込まれてしまうのがまた面白かったです。
■これもガラス? 美しい作品が並ぶ「富山市ガラス美術館」
「TOYAMAキラリ」の中には、「富山市ガラス美術館」という美術館も入っています。
(こちらは開催中の「扇田克也—光のカタチ」展の展示風景。)
最上階には現代ガラス作家の巨匠・デイル・チフーリ氏によるインスタレーション作品が並ぶ「グラス・アート・ガーデン」があります。
シャンデリアのようなキラキラとした作品や、海の中のように明るく透明でカラフルな空間、水風船のようにまん丸で多くの模様で彩られた作品や、植物のようなユニークな色・形の作品群などが並び、工芸的な「ガラス」のイメージが覆される空間でした。(こちらは撮影可能ですが、webへの掲載は不可でしたので、公式ページの写真をご覧ください。)
常設展や企画展も、どれも”ガラス”の魅力をさまざまな方法で表現していて面白かったのですが、特に若手のキュレーターさんが中心となって企画されたという「ダブルリフレクション:世界を見つめなおす瞬間(とき)」という、ガラスに限らず、透明素材全般を扱った展示が、ガラスのイメージを覆すような作品群で面白かったです。(ちなみに、常設展の観覧料は一般¥200と破格でした!)
図書館や銀行などもはいる複合施設ですが、観光で訪れても楽しい空間でした。
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■TOYAMAキラリ(富山市ガラス美術館)
住所:
〒930-0062
富山県富山市西町5番1号
時間:午前9時30分~午後6時
(金・土曜日は午後8時まで)
休業日:第1第3水曜日、年末年始
※企画展ごとに休場日が異なる場合があります。
料金:
常設展
大学生以上の方 200円 団体 160円
※企画展は観覧料が異なります。
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