1日目に「雪見御膳」、「雪花火」を見て回った越後妻有ツアー。最終日の2日目は、芸術祭期間中ではない今の時期にも見られる作品を巡ります。
(朝の松之山温泉の風景。すぐ近くはスキー場のようです。)
(頭文字Dの作者・しげの秀一さんは松之山のご出身なのだそうで、こんなポスターも。(すぐ近くにお豆腐屋さんがあった…))
■ 冬の棚田の風景と「脱皮する家」。
越後妻有2日目。再びバスで移動。この日初めに訪れたのは「脱皮する家」。
もともとはお豆腐屋さんだったという築150年の古い民家。中に入ると、細かい「模様」に覆い尽くされた、まるで点描の絵画のような光景に驚かされます。
ここは、日本大学芸術学部絵画学科彫刻コース有志のみなさんの手によって2年以上かけて家の中を彫刻刀で掘られた作品。
床も、柱も、梁も…あらゆるパーツが彫刻刀で彫り込まれています。
(家の中心から、渦を巻くように彫られています。)
地の板が黒いのは、かまどや囲炉裏などを長年使うことによってススで覆われたためなのだそうです。
長い年月をかけて少しずつ改築されていたパーツも取り外し、少しずつ、建築当時の家の姿に戻しているとのこと。彫刻刀によって昔の姿に「脱皮」するなんていう発想、なんだか面白いですね。
(家の中では「こへび隊」さんが手作りのお汁粉をふるまってくださいました。ほこほこに煮えた甘さ控えめの小豆がとても美味しかったです。)
2階からは棚田の風景がよく見えます。(今は雪に覆われていますが…)
普通の田んぼは稲刈りが終わった後はそのまま水を抜くそうですが、この土地では水をはったままにするそうです。雪の重みで土が固くなってしまうのを、水のクッションで防いでいるのだとか。雪国ならではの光景になんですね。
■ 地域に溶け込む現代美術館 「キナーレ」 。
ツアー最後の訪問場所は越後妻有里山現代美術館「キナーレ」。
京都駅も手がけられた原広司さんによる建築です。
(夏は池になっている建物の中心部分は、子供どもたちが雪で遊べるスペースになっていました。カラフルな布を使った遊具が楽しそう!)
現在は「田中奈緒子「物質の夢想」」を開催中。
床に沈み込んでしまうような教室の風景や
ぐにゃぐにゃに曲がった椅子など、日用品をモデルにした面白い作品です。
(本物の机や椅子のようですが、石膏を使った彫刻刀作品なのだそうです。)
(影を使って森の中のような神秘的な風景を見せる作品も素敵でした。)
常設展示として、レアンドロ・エルリッヒや、カールステン・ニコライ、クワクボリョウタさんらの作品を拝見することもできます。
(だまし絵のような驚きのある作品で有名なレアンドロ・エルリッヒ。この「トンネル」という作品も、ガレージに入ると「あれっ?!」と思わずびっくりしてしまいました。)
最後は越後しなのがわバルでお昼ごはん。鴨のお吸い物など、ツアーの最後まで美味しい食事をたのしむことができました。
食事の後、キナーレの売店で淺井裕介さんのグッズを買うと「作品はご覧になりましたか?」と、レジのお姉さん。「今は雪が溶けているので見られますよ!」と。急いで行ってみると、雪の間から淺井さんの「チョマノモリ」が顔を覗かせていました!
(住宅街にも続いていく白線の絵「チョマノモリ」。時間があったらもう少し追いかけていきたかったです。)
■ 解散後も、まだツアーは終わってなかった?!
さて、楽しかった越後妻有ツアーもこれで終わり。バスで十日町駅へ向かいます。
(十日町駅のエントランスにある小松宏誠さんの「Winter Circlet」。雪の風景にしっくりと合う美しい作品です。)
みんな越後湯沢まで行くんだから、越後湯沢まで送ってくれたらラクなのになぁ〜… なんて思いつつ、”ほくほく線”に乗り込むと…
トンネルに入ったところで、突然消灯! 「えっ?!何?!」とびっくりしていると…
なんと、音楽に合わせ電車の天井にプロジェクションマッピングがはじまりました!
プラネタリウムみたいな夜空の風景。
(駅が近づくと、ぴたりと音楽が止んで通常のアナウンスが流れるのがなんだか面白い…)
トンネルの区間が長いほくほく線の特徴を活かした、面白いイベントでした!ひょっとして、このために十日町で解散だったのでしょうか?!
(「ゆめぞら」という、土日を中心に走っているイベント列車なのだそうです。)
思わぬサプライズもあり、最後の最後まで驚きとわくわくでいっぱいの旅になりました。
芸術祭の期間中はもちろん楽しいですが、他の時期に訪れてみるのも楽しいですね。また別の季節にも訪れて、いままで知らなかった魅力に出会ってみたい!と思いました。
(越後湯沢駅の「ぽんしゅ館」では、500円で新潟の地酒を5杯試飲できました。期間限定の生原酒なども試すことができたり。旅の最後にこれも嬉しかった!)
そんな越後妻有ツアーは、芸術祭期間以外にもしばしば開催されているようです。ひとりで旅行をするのとはまた違った地域の魅力に出逢える旅。気になった方はぜひ次のツアーに参加されてみるのはいかがでしょうか?
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