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Tina Seelig著『What I wish I knew when I was 20』を読んで

2012年04月27日 | 折々の読書
  
 読み始めてからだいぶ経ってしまいましたが、音読を終了しました。去年から読んでいました。途中、中断し今年再開したときは口がもつれたほど。それだけ外国語の口を維持するのは難しいのだと思います。日本語と英語の発声はかなりかけ離れているから、少しでも間を空けると筋肉が忘れていく。日頃のトレーニングが大事なわけでしょう。もっとも、多少読んだところで上手になるわけはなく、年単位で継続することが私には必要だろうと。だから、音読はまだまだ続く(笑)。

 音読の欠点として、読む速度が遅くなる、bookishになるなど、弊害は分かっているつもりですが、声を出さなければ筋肉が錆びついてしまうことが、今回、証明されたので続けたいと思っています。それに今の私のレベルでは弊害まで行っていないし(笑)。

 この本は、今をときめく、ティナ・シーリグが語る企業家精神の本。少し前、彼女の講義の模様がNHKで放送されていたのでご存知の方も多いでしょう。経済関係の単語が読めず苦労しましたが、推測はつくので意味の分かるところもありました(笑)。20歳を倍以上超えている私にはもう取り返しがつかないのですが、可能性として面白かった内容でした。いくらアメリカでも教室を出たらそうそううまくいくとは思えませんが、このような可能性を心に抱いて卒業できる学生は幸せだと思いました。

 日本では画一的授業であるし、世の中はもっと画一的。そして単線的。ガラパゴス化で、何から何まで停滞してしまった日本。出る釘は打たれる状況(どころか、出る釘もなくなってしまったかも)が続く中、起業家精神はどこまで受け入れられるのか。

 先の震災で太平の夢を覚まされ、これからどういう社会がよいのか模索するときに、若い人もそうでない人にも、少しでも企業家精神、独立心があれば、何かが変わる種になるのではないか。起業家でなくても、何ものにも囚われない見方、生き方を模索する上でも刺激的な本だと思いました。
 
 ただし、日本に生きる市井の人としては、この内容は真っ当過ぎだし立派すぎるようにみえる。さすがは戦勝国、どこにも影がない、と敗戦国の立場の私は思ってしまう。成功者の側から見た世界観がよく分かると言えばひがみか(笑)。

 ■What I wish I knew when I was 20: a crash course on making your place in the world. by Tina Seelig, HarperOne, 2009.

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 ■ティナ・シーリグ著、高遠裕子訳『20歳のときに知っておきたかったこと;スタンフォード大学 集中講義』阪急コミュニケーションズ,2010年3月.


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