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チェロローグへようこそ! 万年初心者のひとり語り、音楽や身の回りのよしなしごとを気ままに綴っています。

ラーセン物語(続)

2006年06月06日 | チェロ
ラーセンは試行錯誤を繰り返した。分解しては推測するしかなかった。使用済みのチェロ弦を分解し巻き方を顕微鏡で観察,研究した。文献は皆無。すべてが謎だった。1年半で貯蓄の8万ドルを費やした。妻は,乳飲み子を抱え奔走した。
100年前のピアノ線製造機が見つかった。すぐ買って使ってみた。結果は惨めだった。ヤーガーの方が上だった。

やっとのことで理想的な金属の組み合わせを発見した。ラーセンは隠すこともなく材質を公開した。アルミニウム,チタニウム,タングステン,鉄,そして銀。
ラーセンの弦は豊かな音と均質性を備えているとプロの音楽家達は声を揃えた。パリ高等音楽院教授は「柔らかいが力強く,濁りが無く美しいハーモニーを作り出す」と言い,「楽器になじみやすい」と評価した。

1990年,ラーセン・ストリングス社を設立したものの最初の年,弦は1000本も売れなかった。今日,世界でも10社ほどしかない弦製作会社のひとつとして指導的役割を担うまでになったラーセン社。今,その弦は代理店を通じて世界中で使われている。
ラーセン社はデンマーク半島の東側,ドイツ国境近くの街にあり20数名の従業員が働いている。外観は質素だが内部はハイテク工場だ。

あの決断が今の自分を作ったとラーセンは振り返る。自分の知らない世界に自分を投じた。無分別だったかも知れない。だが,徹すれば人生は良い結果となるものだ,と。(終わり)

う~ん,かなり恣意的な訳ですみません。ん?と思った方はIHTの記事をご覧ください。
それにしても,一口にラーセンの弦と言いますが,こんなストーリーがあったのですね。20年前の弦製造業の状態が分からないので何とも言えませんが,いきなり弦製造業に手を出すのもどうかと思います(笑),が,ロマンかもしれない(セーフティネット,あったのかなあ)。それにガット弦の立場はどうなっているのか?20名程度で製造している現場って想像がつかないが,機会があったら是非見学したいもの。

私の弦は上2本がラーセン,下がスピロコア。G線が金属的な音がするので今度は全部ラーセンにしてみようかな。まんまと売り上げに貢献か(笑)。

3 コメント

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CELLO LIFE (MIKE OISHI)
2006-06-16 05:22:19
初めて、先輩のWEBSITEを訪問しました。

内容が充実していますね。Cello知識の宝庫のような。



私は、MIKE OISHIという49才のシカゴに住む者です。

小さな会社を経営してます。



私も1年前48才から、Celloを始めました。全く音楽の

経験がなかったので、時間を要しましたが、いまは、

Suzuki Cello Book# 2のBach #1,#2,#3 Munueteを弾けるようになりました。第二positionです。



先週、Europeに仕事で出張したついでに、パブロカザルスの亡命先のプラド、Franceに行ってきました。



2800mピレネー山脈のカニグ山という麓のきれいなところです。長野の清里みたいな感じです。

大変良いところでした。驚くのは、56年経過しても

カザルス音楽祭を7月に開催していることでした。



また、パリの楽器屋で、1800-1900前後のフランス製の

CELLOを沢山みました。20,000 EURO前後でした。



アメリカでも古いイタリアとなると高いし

音楽の学閥でないと購入できません。



クレノモナの松下さんに新作を作ってもらうてもありますが、35000 EURO, 500万円とのことで、納期が2年

だそうです。



楽器選びは、楽しいですが、迷いますね。



弦は、私も殆ど試しました。LarsenのG,Cは、試しましたが、響きがPiasto程度で、捨てました。止めた方が

いいです。



また、最近有名なCellistの弦を観察していますが、

殆どが、Larsen-SoloA,D & Spirocore Tungsten Wound

です。



たまに、高域にこだわるCellistなどは、Piastroが、

報酬をくれるので、Eva PのA弦だけ義理で使用しているプロもいます。しかし、私は、Eva P.よりも

Larsen Soloのほうが優れた弦だと思います。

弓の個性(甘い、Sharpness)の両方に対応します。



長くなりました。



また、時間があるときにメールします。



大石
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はじめまして (isis)
2006-06-17 23:57:04
はじめまして,isisです。

いつもご覧いただきありがとうございます。今日,2日間の出張から帰ってきたところです。



大石さんもなかなか詳しいですね。弦の話は大変参考になります。ラーセン賛美は引っ込めないといけませんね(笑)。ただ,楽器によって変わってきますから「やってみなけりゃ分からない」的な(笑)ところがありますね。今のスピロコアは,Cは固く,Gはビンビン鳴りすぎる。この辺を救える弦を探します。もっとも弓の影響も大きいのですが。



プラド,よかったですね。日本の梅雨を脱出して行ってみたいですね。それよりもフランスですか。もう,買ってしまった身としては単に目の毒ですが。



スズキの2巻の内容が日本版と同じかどうか分かりませんが,次第に面白くなってくるところではないでしょうか。がんばってください。



またメールをお待ちしております。
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re: Bridge (Mike Oishi)
2006-07-07 00:46:05
isisさん



返事ありがとうございます。しばらく、日本の梅雨の最中を出張していました。



6/21 Wed 目黒の旧朝香邸東京都庭園美術館にて藤原真理さんのHendel, Beethoven#3Sonata,Bach Cello Suite #3, Salute de Amourを聞きました。

この会場の特徴は、50名前後の少数の顧客で

藤原真理さんのCelloを1mの正面で聞けるところでした。

1698年Guarneriは、モンダニアーナのようなフワーとした高域音だけとA弦Larsen solo

D弦Jarger Dolce, にて甘さを加えてあり、

Salute de Amourなどは、惚れ惚れしました。



女史もG,C弦は、Spirocore Tungsten Woundをお使いでした。低音の魅力はは、Beethoven #3にて発揮され、やはり、これだと思いました。



また、BridgeもBelgianを使っておられました。



米国に帰国し、Cello指導の先生を夏の間、Tony Porter先生という黒人のEddie Merphyのような大学の先生に習い始めました。



先生のCelloは、1700年代のGerman製ドイツ製

独特のSharpな音です。先生のbridgeもbelgianだったので、どういいのかききました。すると全体的に音がvividに締まるとのことで、さっそく知り合いのシカゴのViolin Maker松田鉄男さん(今年のWienski,Porlandの

ヴァイオリン製作コンクールの審査員-米国代表)に頼んでBeligianを依頼したところ、



わがCelloの音が締まる、Sharpな音に変身しました。



多少、低音C弦が、深みを失いますが、G弦は、張りがあり、高域は、甘くなります。



Bridgeは、きが変わるとまたFrenchに戻せますので、是非、お勧めです。



それでは、



大石

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