前回記事のように、松脂を”黒猫”に変更しました。今までは3回塗りをしていて、ラーセンを塗り、次にベルナルデルを、最後に再びラーセンを塗っていました。なぜ、このような面倒なことをしていたかというと、私の楽器については、これが最もよい音が出て弾きやすいと感じたからでした。しかし、これでは煩雑ですし、1回で済ませられればそれに越したことはありません。
松脂三点盛り。左から、ラーセン、ベルナルデル、黒猫。
ということで、楽器を始めた頃に使ったことがある黒猫に立ち返ってみることにしたのでした。でも、最初の時の感触はあまりよいものではなかったように記憶します。その後、楽器も替わっているし弦も違っています。腕の方も少しはマシかも知れません。そこへ最初の松脂を使ってみたらどうなるか。
ツルツルの弓毛に黒猫を刷り込み、弾き慣れた(と言うよりも大分へたっている)スピロコアを弾いてみると、オッと思うものがありました。
素直に反応し、雑音も少な目です。弾き続けてみると、割と芯のある音になっているにも関わらず滑らかなのが分かりました。特にA線が歯ごたえがあってよい感じがします。
紅色で可愛い黒猫のパッケージですが、プラスチックなのは心がうずきます。
ちょっとだけ蓋の開閉がやりずらい。
引っ掛かりや音質など、突出してよい点があるわけではありませんが、いずれにおいても標準をクリアしている感はありますし、3回塗りよりも安心して弾いていられます。
但し、音は少し小さくなるような気がします。それも弱くなるわけではなく「余分な」音を出さないというような感じでしょうか。
”黒猫”の今のところの評価としては適合と言えると思っています。しかし、上記の感想は、へたった弦と弓自体の性能と私の技量を加味しなければならないでしょう。加えて、もっと弾き込んでみる必要があります。∎