16日に手術を行った。
かなり関節が癒着していたり、骨が細かったりで手術が難行し、予定の2倍くらいの時間がかかったらしい。
予想はある程度していたものの、手術当日の夜は長く、めちゃくちゃ辛かった。
麻酔薬や麻薬系の鎮痛剤で吐き気がする体質なので、全身麻酔ではなく、腰椎麻酔で手術してもらい、術後の鎮痛剤も、極力使わないようにしたけれど、やはり気持ち悪さがあり、吐き気どめを使ってもらった。
もちろん、痛みもそれなりにあった。
それに一昼夜、何も飲めないので、夜中に看護師さんに最もお世話になったのは、不快な口をゆすぐことだった。
おそらく最低でも1時間毎は看護師さんが病室に来てくれたのだと思うけれど、決して彼女らに「いま何時?」とは聞くまいと決心していた。
時間のたつのが遅すぎて、よけいに辛くなるのがわかっていたからだ。
これは、カラコルム山脈の氷河を歩いていた時と同じだ。
ヒマラヤでは日本とは地理的スケールが全く違う。
あの山を越えた先が今日のキャンプ地だと思って歩いていても、いっこうに景色が変わらない。
長い夜を過ごすことは、そんな先の見えないトレッキングの辛さに似ている。
翌日の気分も最悪だった。
食事は気持ち悪くて食べられず。
立って病室内を数歩、歩かさられたが、麻酔薬の影響によると思われる起立性低血圧と、出血による貧血の影響で、立ったまま胃液をゲロゲロ吐いた。
まあ、このゲロゲロで少し気分は良くなった。
でも、夕方くらいまでは、院内の何人かの訪問者があったが、返事をするのも億劫だった。
後で訪問者たちも、「顔が真っ白で具合い悪そうだった」と言っている。
火曜日がオペで、昨日の木曜日はかなり調子が良くなった。
痛みは関節からのものではなく、ガチガチに固まった筋膜の張りと、傷の突っ張り感が主体。
今まで使ってこなかったせいで萎縮した筋肉を使うことによるアンバランスさからの影響による痛みもしばらく続くのだと思うが、これはリハビリしていくしかない。
あの大谷選手だって、焦らずじっくりリハビリしているから、大活躍できているのだ。
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