かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

軽いタバコの嘘

2017年08月24日 | サポーターの心得

タバコを吸わない人は、普段タバコを手にすることがないし、当然のことながら、タバコをまじまじと見たことがないと思う。

 

フィルターのところをよーくご覧あれ。

点線が書いてあるのがおわかりいただけると思う。

実はこれ、単なる模様ではない。

点線部分には針で穴が開けてあるのだ。

吸引時にこの穴から空気が混ざりこみ、吸いやすくなるという工夫。

 

この点線(穴)が多いと、空気の混ざりが多くなって、測定機で計った場合の物質の数値が低くなるので、いわゆる「軽いタバコ」として名前がつけられる。

この、タバコ会社の巧妙なからくりを知らずして、「軽いタバコだから、ちょっと安心」と自分を慰めている喫煙者は多い。

 

けれど、吸っている本人は、自分が満足できるニコチン量を確保しようとするから、空気で薄まった煙では満足感が得られず、本数を増やしたり、ふかーく吸い込んだりして、調節をしている。

その結果、悲しいかな、いわゆる軽いタバコにすると、毒(たとえばニコチンや一酸化炭素)の摂取量はかえって増えているという現象がおこっている。

そもそも、フィルターのこんな場所に空いている穴だったら、たいてい口で塞いじゃってるんじゃないだろうか?

 

このウィンストンっていうタバコ、禁煙外来に来た患者さんが「キッパリとやめるのがお薦めです」と言ったら、置いていったもの。

100円ライターには、黄色いヤニがこびりついていた。

 

 

 

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