もしも自分に娘や息子がいたら・・・と考えることは普段あまりないが(笑)、先日、ちょっと頭をよぎったことがあった。
刺青というと、日本ではその道の人がしている印象が強いが、海外セレブなどでもめずらしくなく、そういう人たちを目にする機会が増えたせいか、タトゥーと言い方も変えて、若い人中心に、その道じゃない人でも施している人が増えている印象がある。
刺青に対して賛否両論はあるが、医療従事者の立場で言わせてもらうと、最も注意しなければいけないのは感染である。
施行時の針が使い捨てで、衛生管理がきちんとされていることが第一条件。
そうでないと、B型、C型肝炎ウイルス、HIVなどの感染リスクを伴う。
場合によっては命を縮めることにもなる。
また、金属が混入されている色素が使われていると、必要な時にMRI検査が受けられない状況に陥ることもあり得る。
実際に、高い磁気を利用したMRI検査で、刺青部分がひどい火傷をひきおこした例が報告されているので、今では検査前に刺青がないかどうかのチェックが必ず入る。
肝炎ウイルスやHIVウィルス感染症は、無症状の期間が長いので、感染していることに気づいていない人が多いのも問題。
入院して手術などを受ける際に検査してみて初めて知るという人もめずらしくない。
何事も「無知」であることが、最も恐ろしいことだと改めて思う。
もしも自分の子供がタトゥーをしている人と付き合うことになったら、深い関係になる前に、感染症の有無を(お互い)確かめておくことを薦める。
今はいい治療薬や、感染予防薬があるので、そういう治療の機会を逃さないためにも、重要なことだから。
昨今は、梅毒が若い人たちのあいだで増えているという話もきく。
賢明な大人同士の間柄であっても、ストレートにそういったことを尋ねるのは、かなり勇気がいるものだ。
ヘルスリテラシーを向上させて、ぜひとも健全で幸せなお付き合いをしていただきたいものである。
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