禁煙の仕事をするようになって、院外で人と会うことが多くなったので、名刺を持つようになった。
大学の教授先生や大病院の院長先生などは例外であるけれど、ふつうに医者をやっている人は意外と名刺を持っていない人はめずらしくない。
初めてネット上の名刺会社で自分の名刺を作ってから、以来ずっと、デザインも10年以上変えないまま、追加注文している。
が、あるときラジオで、障がい者が描いた絵をデザインに取り込んで名刺を作っている会社があると知って、検索してサイトをのぞいてみた。
積極的支援でなくとも、フェアトレードみたいな形で支援ができるならと思い、いったん注文をしたが、結局、作成、支払い前に注文をキャンセルした。
サイトをよーくみてみたら、その団体を支援する数あるスポンサーの中に、名の良く知られた企業に並んで、JTが名を連ねていたからである。
医学研究の世界においては、タバコ会社からの研究資金提供は受けないということは常識化されつつあるし、タバコ会社から資金提供を受けている研究の内容は信用性が低いとされる。
一般国民全体にあまり知られていないのが残念であるが、日本も批准しているタバコ規制枠組み条約(FCTC)のなかには、タバコ会社によるスポンサーシップの禁止がしっかりと組み込まれているのだ。(★)
たとえば、自治体運営のなんとか大会とか、ましてや権威ある国体などで、JTがスポンサーになることはもちろん、灰皿の提供を受けたら、それは立派な条約違反にあたるので、大会運営の担当者の方々はぜひ知っておいてほしい。
また、タバコ会社から資金提供を受けている会社の商品を買ったり、サービスを受けるということは、タバコ会社の宣伝に加担することになるわけで、それを理由に注文をキャンセルさせてもらった。
反旗を振りかざしながらの戦闘的反タバコ運動は、そういうのが好きで得意な人に任せたいが、こういう静かな反タバコ行動もある。
キャンセルの理由は訊かれなかったが、せっかくなら伝えればよかったとちょっと後悔。
あ、でも、自分の個人情報は名刺を見れば明らかなので、ひょっとしたらわざとやったと思われちゃうかも・・・(笑)
(★)たばこの規制に関する世界保健期間枠組み条約/外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/who/fctc.html
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