熟女の思春期

両親とも元気でいてくれているから、これ幸いと、年に一～二度くらいしか実家には帰っていなくて、親不孝している。


実家に帰るたびにのぞくようになった母の着物箪笥。

引き出しに放り投げ込まれたままの帯締めや帯揚げ、変な畳み方でしまわれている帯をきちんと整理をしてあげる素振りをしながら、何かもらえるものがないか物色してくる。

不思議なことに、前回も出して見て、「好みではない、似合わない」と箪笥に戻したはずのものでも、次に見たときは、「あら素敵。しかも似合うじゃん♪」というものがあって、半年や一年でも、自分が年をとったせいなのかな…？と思うことがある。


更年期のことを自分では第二の思春期とか熟女の思春期とよんでいる。
いい意味でも悪い意味でも、色々と変化があって面白いと言えば面白い。


10年ほど前に母からもらったカメオのブローチ。

高価な良い品だからということだけで、「とりあえず」もらっておいたけれど、アクセサリーの中では、ブローチが一番苦手だし、何度か着けてみようと試みたけれど、どうにも似合わなくて、ずっとしまいっぱなしだった。

ところが最近、着けてみたくなり、案外、鏡の中の自分がイケてることに気がついた。

アタシも、カメオのブローチが似合う熟女になったということか(笑)。

年をとるって、悪いことばかりじゃないのよ。