かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

解きつつ妄想

2014年12月04日 | 好きなもの
いったん着手したら、ついつい集中してやってしまうのが、キモノを解く作業。

キモノは解くと元通りの反物になり、洗い張りをして、また着物に仕立て直したり、羽織や帯に生まれ変わらせることができる。
良いものになると、解き洗いを繰り返すことで、一層布が輝きを増し、馴染みもよくなって、着心地がアップする。
なんとも素晴らしい。


しばらーく前に実家から引き取ってきた祖父の紬。
カッコイイ茶系の縞。
箪笥のなかで見つけて、一目ぼれした。

しつけがついたままで、未着用と思われる。


ところが、解き作業にかかりはじめたら、予想外に埃が舞った。
袖の中からはぎょぎょぎょっとビックリするような屑も出てきた。
マスクをしたほうがよかったかも。
一度も着ずに、箪笥にしまっておいただけでも、30年近くもたつと、こんなに埃がたまるものなのか。


厚くて固めな紬だと思っていたら、解いてみたら薄くてなんとも儚い感じの布だ。
八掛け(裏地)が厚地で、しかも衿や袖口は、幾重にも重ねて、しっかり・かっちりさせて仕立てられていたのだった。
女性ものと紳士ものでは仕立て方が違うようで、ちょっと苦労した。
ざっと3時間の作業。

しかし、キモノに仕立ててある状態と、布地に戻した状態で、表情がガラッと変わったのにはビックリ。

これくらい柔らかい紬なら、羽織にしてもいいかもしれない。

八掛けは、パリで買ってきたレースリボンをあしらって、帯にしようか?


膝にかかった絹地の暖かさを感じながら、あれやこれやと妄想、いや、構想。
楽しい3時間だった。
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