11歳以下の子供のワクチン接種支援が始まった。
夏休み前まで続く。
子供の診療経験はほぼないに近い。
小児科医や小児科クリニックのナースが一緒であることを条件に引き受けた。
アナフィラキシー反応の際の対応方法などは、基本的に大人と同じであるけれど、アドレナリンの量が違うので、そのところは接種会場であらかじめ用意されている薬剤を確認。
もう一人の医師にも、開始前にきちんと挨拶し、いざという時には連携しやすいように、簡単に紹介しあう。
今回は主に合併症を持った子や、児童養護施設の子供たちの2回目の接種ということであったが、人数が少ないので、「ゆっくりで大丈夫です」と市の担当者。
成人の時には接種前問診のみが医師の業務であったけれど、小児の場合には問診と注射の両方を担当する。
問診で確認することは、成人と同じであるけれど、常用薬がある子はお薬手帳を持っているし、母子手帳にはこれまでのワクチン歴が記録されている。
本人の顔を見ながら話をし、不安を取り除くことが何より大事だと思う。
今回受診の子供たちは2回目の接種ということであったので、初回の際の副反応の有無をたずねた。
ほとんどの子が発熱もなく、軽い頭痛や接種部の痛み程度のようで、大人よりもよっぽど平然と受け止めている様子だった。
「痛くない注射だから、むしろ早く2回目が打ちたかったよ!」という男の子も。
注射時には、小児科クリニックの看護師さんが慣れた様子で腕を固定してくれたし、お母さんに抱っこしたもらいたがる子供もいたけれど、泣いた子どもは一人もいなかった。
子供に泣かれたら、半日くらい落ち込むだろうなあと思って覚悟してきたから、ありがたかった。
注射は得意である。
たぶん、接種にかかる時間は世界最速だと思う。
ぜんぜん痛くないと言われる。
あまりの速さと痛みの無さに、あっけにとられて目が点になっている子もいた。
付き添いのお母さんやお祖母ちゃんたちは、「’注射を)見ていないほうがいいんじゃないの?」とアドバイスするのだけれど、案外しっかりとガン見している子が多かった。
帰り際、子供たちは市が用意したお菓子をもらう。
「楽しかった!」と言いながら帰っていく子もいて、こちらも楽しく仕事ができた。
小学校で子供たち相手にずっと授業をしてきた経験が生かせている気がした。
若い世代の3回目接種率が伸び悩んでいるという。
子供たちもがんばっているのだから、3回目接種をまだ受けていない大人たちは、早く受けてもらいたい。
公衆衛生的には、ブースター接種率をあげることは重要である。
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