かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

もりもり制吐剤効果

2025年01月29日 | がん治療
「もりもりに盛っておきましたから、これでもし吐き気しちゃったらゴメンナサイ!」

手術室で麻酔科医に言われた。

そう、何が嫌かって、手術翌日のひどい吐き気がどうにもこうにもつらいので、「痛みは我慢しますから、とにかく吐き気だけは抑えてください」と再三お願いしていたのだった。

全身麻酔での手術後に、吐き気を生じるという人が時々いるということは、以前から知られていることであった。

考えられる原因要素は4つ。
·麻酔薬
·麻薬鎮痛剤
·女性
·非喫煙者

過去2回の手術では、全身麻酔と腰椎麻酔とを経験していて、細かい薬剤名はわからないが、2回とも吐き気があったので、鎮痛剤が影響している可能性が高いとおもっているが、定かではない。

麻薬系鎮痛剤は最小限にしてもらい、痛み止めは症状に応じて後から追加してもらうことで了解ということに。

あとの細かい調合は最終的に麻酔医に委ねるしかない。

外科医に訴えても、「確かに女の人に多いんだよねえ。でも、1日くらいすれば良くなるからねー」くらいに、軽くいなされてしまう。

術前には必ず麻酔科医との面談があるので、
「アタシはとにかく、除痛より制吐!」を強く訴えて、最善を尽くしてもらった。

最近は、抗がん剤用の制吐剤も、保険適応が広がって、手術時にも使えるようになったというから、大いに期待したい。


で、その結果どうだったか?

バッチリである。
吐き気らしい吐き気はなかった。
よかったー。
かんしゃ、感謝でR。

麻酔からの覚醒はスッキリせず、だらだらとしていて、3ー4時間くらいはうとうとして、声かけに応じて開眼するのも億劫だったのはちょっと不快···であった。

ルート類はというと、手の甲に点滴、尿カテーテル、手術部位にドレナージ管が1本。
両脚には血栓予防のマッサージ器。

でも、自身での寝返りも可能で、数時間後には排ガスもあり、痛みも思ったほどでもなく。

点滴をしているせいか、めちゃくちゃのどが渇いてつらいということもなく、うとうとしながら一晩を過ごした。

過去2回に比べたら、術直後の夜は悪魔的ではなかった。

翌朝から食事は許可されていたけれど、食欲も気力もわかず、朝ごはんはパス。

お昼前に頭が少しふらふらしながらも離床。
病棟内を2周歩いた。

お昼ご飯はやっとこ半分。
夕飯は8割といったところ。

朝ごはんを食べなかったということで、昼過ぎに主治医が訪室。

「どう? 肥料は食べられた?」

いま、肥料って言った?!
言ったよね?

「OK. OK. だんだん良くなるからね! じゃっ!」


外科医の回診は、内科医とは違って、嵐のようにワーッと来て、ちゃちゃっと処置をしてサーッと去っていくから、聞きたいことや言いたいことは前もって考えておいたほうが良い。
慣れていないと、チャンスを逃すことになる。

まあ、ナースに言えば伝達、共有してくれるので、心配はないけどね。




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