「とにかくね、ぼくにはね、
広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子供たちが、
みんなでなんかのゲームをしているところが目にみえるんだよ。
何千っていう子供たちがいるんだ。
そしてあたりには誰もいない - 誰もって大人はだよ - 僕のほかにはね。
で、僕はあぶない崖のふちに立っているんだ。
僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえることなんだ
- つまり、子供たちは走っているときにどこを通ってるなんて見やしないだろ。
そんなときに僕は、どっからか、さっととび出していって、
その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。一日じゅう、それだけをやればいいんだな。
ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。
馬鹿げてることは知っているよ。
でも、ほんとうになりたいものといったら、それしかないね。
馬鹿げていることは知っているけどさ」
※『ライ麦畑でつかまえて』 J.D.サリンジャー / 野崎 孝 訳
ホールデン・コールフィールドが妹のフィービーに、自分がなりたいものを言ったせりふ。
☆シャルドネ娘と冬のお友達
ライ麦畑と言えば=ドリフターズの「誰かさんと誰かさん」を思い出す。昭和の残景をひきずっています。
ライ麦畑の穂は高く、その中にカップルが入れば、誰も見られずにイチャイチャできるということ。
でも、今宵のライ麦畑は違いますよ...
☆WILLIAM HARDY / ESTD HARDYs
今宵のシャルドネ娘は、オーストラリア生まれの元気っ娘。小麦色がかった透明な色合い。桃の香りが心地よく、爽やか酸味と果実味が広がる。そして、クリーミーな余韻。ご満悦。
☆たらの子付けのオリーブオイル風味
冬の味覚のたらの身にタラコをまぶしたお刺身「たらの子付け」。オリーブオイルと塩をかけるとしっとりとやわらかくなったたら親子を咀嚼するとゆっくりと時間が流れる冬時間に変わっていく。シャルドネ娘も一緒にゆっくりと時間を楽しみながら加わり、美味しさを届けてくれる。ご満悦。
☆あんこうのアクアパッツァ~サフラン風味
あんこうの淡白な味とあさりの旨み、サフランの香りにケーパーの酸味。深海から目覚めたあんこうがゆっくり美味しさを身につけながら浮上する。そして、シャルドネ娘とランデヴー。美味しさご満悦。
重松 清氏の短編小説に「よーそろ」というのがある。原島という40歳の駅員がいる。昇進など見向きせず、ヒラのまま駅員でプラットホームに立つ。そして、快速電車が通過するときに、あぶなそうな人の後ろに近づいて「やめましょうよ」と声をかけて、飛び込み自殺をくいとめる。そんな原島に救われた女子学生が言った言葉です。
「広ーいライ麦畑でね、子どもたちがあそんでいるんですよ。みんな夢中になって走りまわってるんだけど、畑の端は崖になっているんです。危ないですよね、落っこちちゃうと。だから、ホールデンは崖のふちに立ってて、崖から落ちそうになる子供たちをつかまえるんです。一日中、それが仕事なんです。なんか、それ、原島さんに似てませんか?」
先日から自殺願望の人とその苦悩を己の喜びにしている人のニュースで飛び交っている。
ライ麦畑の中で自分のいる場所、ライ麦畑の出口がわからず崖から落ちていく人が多い。ライ麦畑のキャッチャーは...
自分の知人で『登天(とうてん)ポール』というギターをかかえて奇抜な服装で「マウンテン」を合言葉に「自殺反対」の旗をかかえて全国の小~高学校を行脚している男がいる。自分は彼の事を現代のライ麦畑のキャッチャーだと思っています。
※良かったらHP,Blgを覗いみてください。→http://kokoronimountain.com
命ある生き物の中で自殺するのは人間だけであり、これは「心」を持つ生き物の悲しい現実だと思う。でも、それを餌にして生きている者に対しては心が痛く、悲しみを感じてしまう。
今宵は、早いうちからシャルドネ娘と戯れているせいか、好き放題に書いてしまった。
最後はいつもの調子で、自分の場合は同じライでもアルコールのwhiskey and ryeのほうになりますね。
そう、
♪So bye-bye,Miss American Pie
Drove my chevy to the levee
But the levee was dry
And them good old boys were drinkin' whiskey and rye
Singin' this'll be the day I die
This'll be the day I die
↓
♪American Pie : Don McLean with Lirics (English & Japanese)
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