『折角鳥に生れて来ても、
ただ腹が空いた、取って食う
睡くなった、
巣に入るではなんの所詮もないことじゃぞよ。
それも鳥に生まれてただやすやすと生きるというても、
まことはただの一日とても、
ただごとではないのぞよ、
こちらが一日生きるには、
雀やつぐみや、たにしやみみずが、
十や二十も殺さなければならぬ』
~宮沢賢治の『二十六夜』より
私の一番好きな宮沢賢治の小説『二十六夜』の一節。
賢治の”思い”が詰まった小説であり、
この”思い”とは「かなしみ」で、
食物連鎖の「かなしみ」
生きていくために、生きているものを食べなければいけない「かなしみ」
そして、食べられる「かなしみ」を
肉食鳥獣のフクロウの社会を舞台に語っており、
賢治の心の優しさがあふれている。
今宵のシャルドネ姫は自然派ワイン、
お供はベジタリアン調で…
☆自然派シャルドネ姫とベジタリアンの仲間たち
『私は春から生き物のからだを食うのをやめました』
賢治のビヂテリアン宣言である。
賢治の言う「ビヂテリアン」は「ベジタリアン」のことである。
そもそも「ベジタリアン」とは何かである。
ベジタリアン=菜食主義=野菜を食べて生きる人、のイメージですが、
根本はラテン語のvegetus(活発な、力強い)が語源で、
「森羅万象すべていきいきと元気でなければいけない」を意味しており、
菜食文化研究家の鶴田静さんは
「生命を直接奪うことで得る食べ物をとらない者」と本に書いている。
☆Perrieres Les Vieilles
フランスはブルゴーニュ生まれのシャルドネ姫。
造り手はジェローム・ギシャール氏。 馬を使って畑を耕しすべて手作業でブドウを育て、収穫しているらしい。自生酵母菌で発酵、樫の木樽を使いシュール・リー熟成。酸化防止剤無添加の自然派ワイン。
オレンジがかった輝き、濃いハーブの香り...ミントを濃縮...昭和生まれの臭覚ではサロンパス...口に含むと、蜂蜜の甘み...余韻がなぜかセメンダイン。謎の多いシャルドネ姫。
☆おぼろ豆腐のケッカソース
おぼろ豆腐をトマトとオリーブオイルで作ったケッカソースで仕上げました。
手間といえばトマトを湯剥きするぐらいで。超簡単で美味しい一品。
クリーミーなおぼろ豆腐とトマトの甘みと酸味、そしてマイルドに包み込むオリーブオイル。すべてシャルドネ姫と美味しさが手をつないで口の中がご満悦!
☆サーモンの人参ヌードル・サラダ
人参をピーラーで太めにスライス。サーモンと一緒に塩、オリーブオイルであえて、醤油を少したらしクレソンを添えてのサラダ。
ニンジンヌードルでサーモンをくるんで食べるとサーモンの脂身が全く気にかからず、クレソンンの辛みがアクセントで美味しさ倍増、そこにシャルドネ姫が参加すると倍満の美味しさ♡
☆なばなのパスタ
なばなを軽く塩ゆでをして、ニンニクとオリーブオイルで作るアーリーオーリオ・ペペロンチーノ。パスタ麺はDececcoの1.6mm。
ハーブの香りがあふれるシャルドネ姫との相性がバッチシ、ご満悦。
ベジタリアンの父と言われたピタゴラスは
『人間の魂は動物の中に入る
そこにはわれらの親や兄弟や、絆で結ばれた者たちの魂が宿っているかもしれない』
と言っている。輪廻転生。
冒頭に記した賢治の「かなしみ」を鶴田静氏は3つの「かなしみ」でこう語っている。
『他者を食べなければならない悲しみ。
食べさせて、生きさせてくれるものへの愛しみ(かなしみ)。
食べるものと、食べられるものへの哀しみ。』
生きるもの、命はひとつ。
ですよね。
命を食べる、食べないもあるけど、
生きている物のすべての命を大事にですよね。
それを伝えているのがこの歌ですね。