風のたより #26 千葉甫 2019-05-21 14:29:57 | 短歌 永いこと噂を聞いていなかった人の噂の訃となってくる 傾斜した道を下ってくる風に吹かれて行った自転車の人 ここまでは予定通りに過ぎている今日に突然虚しさのくる
風のたより #25 千葉甫 2019-05-19 14:29:18 | 短歌 太陽へ開いた窓の一つから溢れ出てくる旋律がある 朝からの雨音続く窓の外 平成最後の昭和の日ゆく 細切れに時間使って茶飯事を重ねる今日も間もなく終る
風のたより #24 千葉甫 2019-05-17 13:18:20 | 短歌 青空の下行く風が遠くから祭りの太鼓の響きを運ぶ スイッチを入れて灯点る階段の下から光る白い蛾の来る わが窓から見てきた遠く立つ大樹 今日から見えなくなる家が建つ
風のたより #23 千葉甫 2019-05-15 14:05:02 | 短歌 忘れては思い出しては忘れては先送りしているもの一つ 通りから見上げる空は限られてヘリコプターの音のみ響く 一散に走って過ぎた足音があったと思う目覚める際に
風のたより #22 千葉甫 2019-05-13 14:22:55 | 短歌 座る位置少し変えれば透明の紙切れ光っている床の上 覚めている夜半を車の近づいてタイヤが踏むとき鳴るマンホール それぞれの窓にそれぞれ灯の点り人らは生きているそれぞれに