スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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社会主義の香りたっぷりの・・・

2016-01-26 | スロバキア2016
ご無沙汰しています。あまりに久しぶりの更新でログインパスワードを忘れてしまいました。

無事日本でお正月を迎えることができ、家族、友人、知人に会い、諸々の用事を済ませ、長いと思った滞在期間もあっという間に過ぎ去り、土曜日に帰ってきて、昨日月曜日からマルツェルとネルカは幼稚園と仕事へ行き、また少しずつ平常に戻りつつあります。
ひとつだけ大きく違うのは帰ってきた先が新居であること。なんせ大慌てで荷解きし、日本へ旅立ったため帰ってきてもどこにものをしまい込んだか記憶が曖昧で、私のPCはあるのですがアダプターがない等々、落ち着くまでにまだもう少し時間がかかりそうです。

今回の家探し、私たちの住む地方では良い物件が少なく、探すのに本当に苦労しました。オーストリアから帰ってきてからずっとインターネットで物件を検索していたのでほぼ2年、その間にほとんど動きがない(いつも同じ物件がいつまでもある)状態でした。アパートがないのなら、ではいっそのこと家でも良いのではないか、ポプラドの町に物件がないのならほかの町でも良いのではないか、新築がないのなら中古物件も選択肢に入れてみては・・・、絶対に削れない条件は何か、マルツェルと夜な夜な、自分たちのライフスタイルを見つめなおし、思い描く将来のライフスタイルを話し合い、新居の必須条件をリストアップし、やっと絞り出した5軒の内の一軒に落ち着くことができました。

私たちの新居は社会主義の香りたっぷりの中古アパートです。(笑)
社会主義時代にパネル工法(コンクリートのパネルを組み合わせて建てる)により次々と建てられ、そしてスロバキアで流行ったドラマのタイトルにもなった、いわゆるパネラークと呼ばれる集合住宅です。私たちのアパートは建った時期も、間取りも義母たちのアパートと全く同じ、古いけれどどんな家なのか長所も短所もわかっているのが良いところでもあります。
築30年近いコンクリートのアパート、日本だったらもう建てかえを検討する時期ですよね?いくら内装をリフォームしたって、こんな古い物件で耐久性に問題はないのだろうか、絶対にいやだと私は断固反対していたのですが、スロバキア人と生活して6年、私の考えも少しずつスロバキア風になってきました。今は義母や私たちのアパートは社会主義時代の一番最後に建てられたもので、これより古い物件はいくらでもあり、地震もないし大丈夫なはず!と思っています。
そしてなんだかんだと言ってもこの手の物件は人気があり、売ろうと思えばすぐに売れることも買うことを決めた理由のひとつです。

スロバキアの町、特に地方都市は規模が小さく、私たちの住むポプラドも30分もあれば徒歩でどこへでも行くことができ、どんな用事も済ませることができます。日本では大きなデパート、ショッピングセンター、役所に行楽、何でも素晴らしいものがありますが、私の家家からではバス停まで歩き、バスに乗り、電車を乗り継ぎ向かいます。
スロバキアへ来たばかりのころ特にそれは強く感じたのですが、役所(就労ビザの発行や、結婚式に必要な手続き)はもちろん、ウェディングドレスだって(贅沢を言わなければ)近所で購入できてしまうほど実は便利なのです。

小さい町ながらその中に必要なものが全てそろっているというのはスロバキアの特徴ではないでしょうか。
ただし、家を探しながらつくづく感じたのですが、便利な場所には古い集合住宅がひしめき合っていて、新築物件はおのずと不便なところばかりに建てられているのです。私たちの絶対に外せない条件のひとつは、子供たちが徒歩で学校に通えること、車がなくても生活できる便利なところというのが必須条件でした。そんなこともあり、社会主義の香りたっぷりの古いアパートに落ち着くことになりました。

それにしても本当に便利になりました。子供たちのかかりつけ医は窓の下、徒歩2~3分のところにスーパーが3~4軒、義父母の家までも徒歩8分、幼稚園も少し遠いけれど徒歩で通うことができるようになりました。

まだ時差ぼけで私たち全員早起きなのですが、6時にはマルツェルが近所のスーパーへ買い物に行き、焼きたてパンの朝食を毎朝家族全員そろって囲み、まだ窓の外はちらほら明かりが灯るだけの中、ゆっくり淹れたコーヒーを飲む。なんだかとても贅沢な朝で、引っ越した甲斐があったなぁと感じています。

ところで、スロバキアでは夫婦が家やアパートを購入するときは夫婦二人の名義になるのが一般のようで、私は資金を一銭も出していませんが、マルツェルに感謝、このアパートの半分は私のものとなることになりました。今回の私の誕生日は引越しのさなかで祝う余裕などまったくなかったのですが、誕生日プレゼントは家!そう考えれば決して悪い気はしませんね。


以前の家にはなかった、公園が窓から見えるところにあるのもまた良いです。


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