スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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Psicek a Macickaを観に行ってきた

2013-11-04 | お出かけ
今年も家族そろってお墓参りができた。
毎年とても寒いのだが、今年は珍しくそれほど寒くなかった。それでも、もうそろそろ日に日に寒くなる一方らしいが。

こちらはお墓にロウソクを灯し、花やもみの木の枝のようなもので飾る。花は造花を飾るのが主流のようだが、鉢植えを置いたり、お墓の上にそのまま土を盛って花を植え、花壇のようになっているお墓もあったりする。暗くなってからの方がロウソクの明かりが映えるので薄暗くなるころにお墓参りをした。今年は義父がロウソクをひとつ多く用意していてくれた。墓地内に共同の十字架があり、そこには軍人や身寄りのない人が奉られていたり、遠方でお墓参りが叶わない場合の代替にもなるのだそうだ。その共同の十字架に私の日本のご先祖様にとひとつ灯してくれた。嬉しかった。

さて、芸術の秋!先週に続き、昨日、日曜日もネラを連れて観劇に行ってきた。

Ako Psicek a Macicka...

とにかく怖がりのネラは「明日、劇を観に行こう」と言っても怖がって嫌だと言う。内容はチェコ・スロバキアの児童文学の古典、Psicek a Macickaという話で仲良しのワンちゃんとネコちゃん二匹が不器用に掃除をしたり、ケーキを焼いたりする可愛い物語で、怖いところなんてひとつもありやしない。義両親の家に絵本もあり、話の内容だって知っているのに。
行けば絶対に楽しむので、結局朝、行先を告げずに連れて行った。
劇場の中に入り、子どもたちがたくさん一緒に座っていることを見せてもまだ怖がって椅子の影に隠れているネラ。ステージが見えてしまうので私の膝にもおちおち座ってもいられない。私の足元に立って前の椅子の背もたれの影に隠れている。ステージが明るくなり演劇が始まったら恐る恐る眼だけを椅子の影から出して見始めると、すぐに引き込まれた。手に持っていた人形を床に落としたことにも全く気づかない。
終わったら拍手喝さいで、これまた恐る恐るステージに上がり、ネコちゃんと記念写真も撮った。

観賞料は大人も子供も一人1ユーロ50セントで、とてもお手頃だ。
冬の間毎週あるそうなので、内容次第だけれど(たとえば来週は悪魔のお話、これは絶対に怖がって劇場内に座っていることすらできないだろう)、今年の冬はちょくちょく行くと良さそうだ。



ヨゼフ チャペック作・絵
邦訳も出ているようだ。
「こいぬとこねこは愉快な仲間」 いぬい とみこ・井手 弘子訳 河出書房新社

イヌとネコが仲良く大掃除をする。イヌが石鹸を食べてしまい口からシャボン玉を出したり、バケツにザブンと入って自分の体で床掃除、掃除が済んだら汚れた体を洗濯し、物干しにぶら下がって乾かしたり...、可愛い話だ。

ところで余談だが、チャペック?聞き覚えのある名前だと思って調べてみたら、なんとカレル チャペックのお兄さんらしい。
カレル チャペックはチェコを代表する作家でロボットという言葉の生みの親と言われているが、実はこの言葉は兄のヨゼフ チャペックが考案したらしい。
ちなみにロボットのもとになった言葉、robotaは、チェコ語(スロバキア語でも)労働とか仕事という意味だ。

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