スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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Kysla kapusta/ザワークラウト作り

2017-10-18 | ハーブ・食べ物・レシピ
母から聞いた話ですが、カヌーの羽根田選手はスロバキアのKysla kapusta(酸っぱいキャベツ)が大好きなんだそうですね。以前も書いたことがありますが、この酸味は実は酢漬けではなく、発酵させた酸味なのでとても体に良い食品なのだそうです。ビタミン豊富で長く、寒いスロバキアの冬に欠かすことのできない大切な保存食品です。

義父母はこのKysla kapusta(日本語でなんと言うのかわからないので、馴染みのありそうなドイツ語のザワークラウトと書きます)を毎年、家で漬けます。結構な手間と時間のかかる作業で、「キャベツを踏むのにママは重すぎ、Chihirkoの体重が調度良いんだよ」という義父の言葉におだてられ、できる限り手伝おうと思っている年中行事のひとつです。

今年は40キロのキャベツを漬けました。

まずは40キロのキャベツをスライサーで千切りにします。


よく洗った樽の中には西洋わさびとディルの茎

そしてここからが私の出番です。

あらかじめ少し塩をまぶしたキャベツの千切りを樽に入れ、塩、クミン、コショウを混ぜたものを一握り振り入れ、やはり庭で採れたリンゴを2切れ、ローリエの葉を一枚、その上にまたキャベツを入れ、毎年この日だけ登場する、白い長靴を履き樽の中に入って足で踏みます。




キャベツから出る水分をすくい、その上にまたキャベツ、塩、クミン、コショウ、リンゴ、ローリエ、キャベツを入れ踏む、樽がいっぱいになるまで何度もこの作業を繰り返します。


途中、ネルカとサクルカも少し踏み、最後はマルツェルが手で押し、落としぶたと石を乗せ、布巾をかぶせて今日の作業は終了です。これからゆっくり発酵させ、クリスマスの頃には美味しいザワークラウトの出来上がりです。

この日、義父母は朝6時から準備をしていました。私は朝10時半から踏み始めて終わったのは1時過ぎ。たっぷり半日かかりました。昼食はキャベツのパンケーキ。労働の後、あまりにお腹が空いていて写真も撮らずに食べてしまいましたが、小麦粉と卵と牛乳とキャベツで作るそのパンケーキはスロバキアのお好み焼きとでも言いましょうか。長芋が入らないのにフワッとするのは卵の白身をしっかり泡立てメレンゲにしているからです。とてもマメでコンポートやジャム作り、裁縫、編み物、面倒なこともさほど面倒がらずに何でもこなす義母ですら、「ザワークラウトは本当に大変」とこぼすほど、手間も時間もかかる作業ですが、でもこうして家族総出で作るのは楽しいものですし、何より自家製ほど美味しく、贅沢なものはありませんよね。私は気持ちの良い疲労感と、「伝統を受け継いでいかないといけない」という思いにちょっぴり身の引き締まる一日でした。


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