
通夜、葬儀では
悲しみを表す表現なのか
チッチッと舌打ちを打ち
冷静さを保とうとしていた女性が
ワタシを1番理解をしてくれている
ご近所を呼び
おいおい泣いて
何か懇願しているような姿だった
なんだか少し
ゾッとした
少しして帰られる前に
「Sちゃんも大変じゃけどねーおばちゃんらはいつもSちゃんの味方よ....」
どうやら
父の娘であるワタシを頼りたいこと
今後は仲良くしたいということ
そんなことも
泣きながら頼んだようだった
慰め役になった
ワタシの大好きなおばちゃんも
致し方なく
ワタシを説得する役になってしまったのだ
父や母
そしてワタシが大切にしているご近所にまで
迷惑をかけられない
うわべだけでも
女性の少し助けになるようなことをしようか
父のために.....
そうも思い
心を許さずとも
優しい接し方をすることにした
でも
そもそも
ワタシは女性には
嫌な接し方をしたことがない
それどころか
割と気を遣ってきた方だった
お金を遣わなかったことが
女性に不満をもたらしたのだろう
午後になると
また厄介なことが起きた
朝1番に連絡をしていたという
保険屋のHさんが来られた
ワタシはHさんを見て
あぁしまった、と
うっかりしていた自分が
とても恥ずかしい
すぐに連絡をしなければいけなかったのに
なんてことだろう
長年支えてくださり
父がとても頼りにしていたHさんに
訃報を伝えるのを忘れていたのだ
ワタシや息子
親子三代お世話になっているというのにだ
それなのに
Hさんは
優しく言葉をかけてくださり
仏前に座り丁寧に
父とお別れをしてくださった
ところがなんと
あの女性は
仏間で生命保険はいくらもらえるのか
いつもらえるのか
そんな話を始めた
父が亡くなって
生命保険がいくらもらえるのか知りたいために、保険屋さんに電話をしたのだった
まだ父の葬儀が前日だったというのにだ
Hさんもいささか驚いているようだったが
ワタシ達と女性との関係も
よく知ってくださる訳だから
また日をあらためて
兄が同席しているときに
という話になった
「色々あるようでしたら、相談してください」
Hさんの言葉には
ワタシは少し甘える場所ができて
嬉しかった
つづく
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