診断から2年半、ある日、胸に痛みを感じた。
検査の結果、がんは0期からⅣ期ある段階のうちⅢ期まで進んでいた。7センチに広がった膿疱の中に複数の腫瘍が散らばって見つかり、乳房温存はできないとされた。
術後、右手が上がらず、抗がん剤シクロホスファミド(エンドキサン)の副作用で毛が抜けた自分を見て愕然とした。医師には「日常生活が一番のリハビリ」と言われた。
副作用で吐き気がし、10メートル歩くのも辛い日があったが、料理や掃除を頑張った。
『絶対に職場復帰する』と誓い、趣味の絵とテニスで右手を動かした。
長女(10)と長男(8)に支えられた。手術や検査の時、
「お母さんと一緒にいる」と病院で何時間も付き添ってくれた。
『はさみを再び握れたら、今度は私が誰かを支えよう』
そんな気持ちになった時、人づてにヘァエピテーゼ活動を知った。