10月17.18日 内覧会を行います
ナースステーション-2
新生児室
産婦人科のナースステーションの
配置の仕方について、前回は
・外部からの見舞い客等に対応
できる位置であること。
・入院患者さんが訪問し易い
位置に配置すること。
・新生児室に接している事。
の3点を挙げました。
前2つは一般の病院でも同じですが、
3点目が産婦人科特有のものです。
この「新生児室に接している事」
に注意が必要です。
新生児室は面会に来た人たちが、
赤ちゃんを見られる様に、面会
ホールや面会廊下などに接して
いなければなりません。
また、新生児室に接していなければ
ならない部屋があります。
沐浴室、調乳室、授乳室などです。
これらが、新生児室に接していて、
かつ、ナースステーションに接して
いる方が良いでしょう。
さらに、面会に来た人たちから、
新生児室内の赤ちゃんを良く
見えるようにしなければなり
ませんが、それに接する、
部屋の様子は見えないよう
にしなければなりません。
特に、授乳室等は、絶対に
見えないようにする必要が
ありますね。
このように新生児室はいろいろ
な部屋が関係してきますので、
慎重に打合せをして決めて
いく必要があります。
関係する部屋についても、
注意点がありますので、
今後書いていきます。
分娩室・手術室-6
コンセント設備等
分娩手術室には、電源を必要とする
機器や、配線が必要な様々な機器等を
設置します。
移動する時に、それらの機器のコードに
つまづく様な事の無い様にしっかり
位置を検討しなければなりません。
設置する機器は、いつ、どのような
状況で、使用するのかを、はっきり
なるべく具体的に設計者に伝える
ことが重要です。
それによって、設計者は人の動きを
考えながら、最適な位置にコンセント
やアウトレットを設置するように設計
していきます。
コードにつまづかない様に、コンセントを
床に設置したりもしましたが、床の
コンセントは、あまり評判が良くありま
せん。
位置が、絶対に変わらない場合ならば、
良いと思いますが、分娩台や、オペ台
などでも使っている過程で、位置の
調整をしたりしますので、床にコンセン
があると、逆にその部分が邪魔になっ
てしまう事もあります。
また、ナースコール等のコンセントや
分娩監視装置の電波の検討や、それら
に対応する設備の検討も設計段階で
しっかり行っておいた方が良いと思います。
また、患者さんがリラックスできるよう、
音楽を流すためのスピーカーの設置や
大型モニターを設置して、環境映像を
流したりできるよう、配線等の検討も
したいところですね。
分娩室・手術室-5
無影灯について
手術台や分娩台上部に設け
る無影灯の設置については
注意が必要です。
無影灯は上下左右に移動させ
て利用しますので、しっかりと
固定されていなければなりま
せん。
無影灯の器具の根元の部分
を固定する為、天井裏のコン
クリート部分に鉄骨の下地を
設置しなければなりません。
これを設置するには、建物が
建つ前のコンクリートを打設
する前の鉄筋を組んだ状態で、
前もって金物を埋込んでおく
とより、安全性が高まります。
これらを行うには、設計段階で、
しっかりと打合せを行い、手術台
や分娩台の位置も決めておかな
ければなりません。
前もって埋込まなくても設置
できる方法はありますが、
患者さんの真上に設置する
ものですので、できるだけ
安全に設置したいものです。
直接関係が無い話ですが以前に、
中央高速道路の天井板の崩落
事故がありましたが、あの設置
方法は、天井裏のコンクリートに
後から、金物を打込む方法で
天井板を固定する方法だった
ようです。
分娩室・手術室-4
分娩室・手術室の清浄度について
手術室や分娩室は清潔区域として他の
区域とは区別をしなければなりません。
手術室の清浄度の考え方は、昔と今では
変化してきていると思いますが、指針に
基づいて、しっかりと打合せをして決めて
いく必要があります。
この清浄度によって、手術室の
つくり方やコストは大きく変わってきます。
手術の内容によって、必要な清浄
度が異なりますので、行おうとする、
オペ内容をしっかり想定して決定し
なければなりません。
一般的な産婦人科の手術であれば
一番高い清浄度は必要ありません。
人工関節の手術等をする整形外科の
手術室が、最も高い清浄度を要求する
手術室で、クリーンルームと呼ばれて
います。
手術室というと、全てクリーンルーム
にしなければならない、と思っている
設計者がいたりしますので、しっかり
確認する必要があります。
分娩室は、単独の場合は手術室よりも
低い清浄度で良いと思いますが、
分娩室との可動間仕切壁で仕切る
場合は、分娩室も手術室の清浄度
とします。
分娩室も清浄度を上げてしまうと、
コストが高くなってしまうのでは
思われるかもしれませんが、
兼用にするメリットと、設備計画を
適切に検討すれば、コストはあまり
変わらなくなると思います。、
清浄度を高めるためには、フィルター
を使用し、空気を浄化します。
このフィルターの種類によって、
清浄度が変わります。
機器は様々ありますが、パッケージ化
されたユニットもありますので、それを
利用しても良いと思います。
また、手術室内の気圧を陽圧に
保ち、手術室以外の部屋からの空気が
中に入ってこないようにします。
簡単に書きましたが、実際はしっかりと
計算をし、それに基づき設計をしなけれ
ばなりませんので、しっかり検討を
してください。
お産をメインとしている産婦人科の場合は
手術室の清浄度についてはあまり、神経質
にならなくとも良いと思いますが、利用し始
めてからの、清掃や消毒等のメンテナンスを
しっかり行い、常に清潔を保つことが、とても
大切だと思います。また、それらが行い易い
手術室・分娩室の設計を行うことが、とても
重要です。