病院設計者のブログ

病院・診療所の新築・建替・リフォームに関する事や、その他色々な事について書いていきます。

病院の経営

2010-04-28 | 病院建築
昨日のテレビ東京で放送されたガイアの夜明けで、
ワタミグループの渡辺社長が病院の理事長になり、
病院経営している様子が流されていました。


病院に採用した職員を居酒屋で研修させたり、
病院内の職員の会議で、コストを厳しく管理する
など、色々な試みを行っている様子。
患者様への接遇に力をいれ、患者満足を高める
努力をしていました。


この患者様への接遇強化は、すでに他の病院や
クリニックでも、取り入れているところもあ
ります。


特に産婦人科クリニックなどはかなり力を入れて
いるところが多くなっています。
客商売では当たり前のことですが、医療界は
今までほとんど、力を注がなかった部分です。


建物の設計も、昔の病院は、患者様よりも、職員優先
効率優先で設計されており、患者様のプライバシーや、
ホスピタリティーといったもの等は、ほとんど考慮
されていませんでした。


今後の医療業界は大きな変革期に差し掛かってきています。
患者満足度を高め、患者様から選ばれる病院・クリニックを
ハード・ソフト両面から、作っていかなければと考えています。
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病院の倒産

2010-04-21 | 病院建築
リウマチのプール治療で有名な福原病院が倒産していた。


建物は安藤忠雄氏の設計。
なので、安藤氏本人がいつも言っている
「私の設計する建物は使い難い、それを不便と思うか、
風情と思うかの違いだ」
の通り、本当に使いにくい建物だった。


以前、病院からあまりにも使いにくいので、
なんとか、病院として使い易くならないか
との相談を受けたことがある。


エントランスや待合の雰囲気はとても良く、病棟の食堂などは、
吹き抜けでとても良い空間であったが、病院としては、決して
使い易くは無いつくりであった。
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産婦人科の設計-外来7

2010-04-03 | 産婦人科
スリッパと土足方式

クリニック内を、くつからスリッパへの履き替えとするか、
土足方式にするかについては、いつも議論になる事が多いです。
建替え前の産婦人科クリニックは、ほとんど玄関でスリッパに
履き替えています。

新しい産婦人科の場合、私はいつも、履き替え無しの土足方式を
勧めています。理由は、履き替えとした場合、玄関に靴がたくさ
んあることで、臭ったり、玄関が乱雑になり、印象が悪くなること
と、玄関で、妊婦さんが大きなおなかを抱えて、靴の脱ぎはきをし
ないで済むように、した方が良いと思うからです。

下駄箱に靴を入れずに、靴を脱いだままになっているのを整頓したり、
スリッパの清潔度保持の為、スリッパを拭く等の職員の手間もかかる
こともあり、出来る限り履き替え無しの土足方式を勧めています。

大きな病院などは、ほぼ100%土足方式なのですから、衛生面では心配
ないと思います。
患者さんである若いお母さん達は、逆にスリッパ方式に衛生面の抵抗
を感じる方も多いです。


しかし、今まで何十年も履き替え方式で診療して来たことや、衛生面
の不安をもたれ、土足に抵抗がある先生も、いらっしゃいます。
また、クリニックの前の道路が舗装されていない場合等は履き替え方式
にした方が良い場合もあります。

その場合は、下駄箱スペース・履き替えスペースをしっかり確保し、
いずれ土足方式になっても良いように、床に段差は設けず、床の素材で、
下足と上足の位置を分けることで対応しています。


土足方式とする場合は、入り口の前と風除室に大きめの玄関マットを置いて、
その上を歩いて通過するうちに、靴の裏の汚れやごみ等を取るようにしています。
また、下駄箱や履き替えスペースか必要無いことで、ベビーカー置き場等を設ける
ことも可能になります。

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