病院設計者のブログ

病院・診療所の新築・建替・リフォームに関する事や、その他色々な事について書いていきます。

産婦人科の設計-病棟3

2012-12-06 | 病院建築

病室その3

個室病室(1床室)-2

 

個室病室についてもう少し書いてみたいと思います。

 

個室病室を希望する患者さんは、様々な理由から希望をされます。

 

・多床病室だと、プライバシーが無い。

・他人と同じ部屋では眠れない。

・トイレに行くのに、いちいち廊下に出るのは面倒。

・共同のトイレやシャワー室を利用するのは嫌だ。

 

等々あると思います。

 

それ以外に個室病室を利用する、

子連れ入院・家族入院があります。

 

2人目3人目の出産の場合、上のお子さんを

どうするかが、大きな問題になります。

 

実家で預かってもらったり、ご主人に仕事を

休んで面倒をみてもらったり等、

いろいろ対応されていると思います。

 

しかし、それができない場合や、昼間は面倒を

見てくれる人が居るが、夜は無理な場合、

ご主人が面倒を見ているが、どうしても1日だけ

仕事にいかなければいけない等の場合は、

大変困ってしまうものです。

 

それらに対応するために、上のお子さんや、

ご主人が一緒に病室に入院できる個室病室を

つくり、子連れ入院や、家族部屋入院を可能に

するものです。

 

この場合、病棟に男性が入るので、

トイレ、洗面、シャワー室は室内に設置する

ことはもちろんのこと、他の患者さんの

プライバシーを確保できる配置や上の

子供の行動範囲、、感染予防等を十分

検討し、配置計画を行わなければなり

ません。

もちろん、部屋の広さやレイアウトも十分な

検討が必要です。

 

子連れ入院は、院長先生の考え方や

クリニックのコンセプトに大きく関わる

ことですので、十分な時間をかけて

しっかり検討する必要があると思います。

 

また、妊婦検診の時や、母親教室、

マタニティービクス等に参加する時に、

上の子供を預けられる様な保育室等

を設ける事ができれば、子連れ入院で

連れてきた子供を昼間はここに預けて、

夜はお母さんといっしょに寝る、

ということができるようになると思います。

 

      医療環境デザイン研究所

 

 

 

 

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産婦人科の設計-病棟2

2012-12-04 | 病院建築

病室その2

個室病室(1床室)-1

 

産婦人科の病室は、やはり個室が望まれます。

 

個室というと、全室、洗面、トイレ、シャワー付き

を考えてしまいますが、なにがなんでも、

全ての個室にそれらを設置する必要は

無いと考えております。

 

個室病室の数や設備内容は、建築工事費や、

全体の平面計画を左右するだけでなく、

完成後のメンテナンス費、清掃費などにも大きく

影響してきます。

 

全ての患者さんが、個室病室の設備がフル装備でないと、

満足しないかというと、そうではありません。

 

患者さんによっては、トイレだけが病室にあれば良い

という方や、洗面だけがあれば良い、個室であれば、

設備は何も無くても良い、という方はいらっしゃいます。

 

シャワーは1日に1回しか利用しない場合が

ほとんどですし、産後すぐは利用しなかったりします。

しかし、清掃やメンテナンスは必要になりますし、

年数が経って古びてくると、リフォームの必要も出てきます。

清掃の行き届いていないシャワーや、古びたトイレが有る事

がマイナスになる場合もあります。

 

全ての個室病室に設備を設置するのではなく、

共用部のシャワー室やトイレ等の水廻りをしっかり計画し、

ゆったりとした、きれいで豪華なものにした方が良い場合もあります。

 

個室病室の設備や数は、クリニックのコンセプト、

ターゲットとする患者さんや、地域性を含め、総合的に検討し、

決めていくことが重要だと考えます。

 

次回も引き続き産婦人科の病室について書いて行きたいと思います。

 

        医療環境デザイン研究所

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