※ここから読まれた方は、まず・・276「ホテル時代の出来事」(前項)を先にお読みください。なお内容がかなりなものなので、気になさる方は読まないで下さい。
「事件ファイル①・・ご年配のお客様事件」・・続きです。
ドアチェーンをオバケカッターで引きちぎり、ドアを開けることができた。
年配の女性のお客様なので、一緒に来た男性のホテルマンは部屋に入ることが出来ない。
こじあけたドアの隙間から、ものすごいアンモニアの匂いが流れてきます。
とりあえず、開いたドアに自分の体をすべり込ませ、匂いが廊下に漏れ出さないように後ろ手にドアを閉めた。
部屋はカーテンが閉まり薄暗い。
目が慣れてくると・・・お客様である年配の女性が、ベッドのふちに手をかけ、やや前かがみの状態に立っている。
ホテルの備え付けのロングシャツパジャマを羽織っているが、前のボタンは止まっていない。
頭はボサボサで、何もつけていない下半身が・・ビショビショでむき出しになっている。
気が付くと、部屋の中には小さく丸まったトイレットペーパーがあちこちに所狭しとたくさん散乱していた。
「痛みはありますか?動けますか?・・・もう大丈夫ですよ。」
正直おどろいたが、出来るだけ安心させるようにユックリと声をかけ、彼女に近づいた。
「動けないのよ、腰が痛くて。座れないし、歩けないし」
近づいて気が付いたのだが、動けない状態であったので近くにあったゴミ箱で用を足したらしかった。1度くらいではない量だった。ゴミ箱の中は、満々とこぼれんばかりの量が入っていたのだ。
男性とは違うので、女性が立って用を足せば、当然うまく出来ない。
部屋のカーペットは、私のパンプスの音で相当濡れているのがわかった。
すぐに下半身を部屋のタオルで拭き、乾いたもう一つのバスタオルで巻いた。
「動けますか?」と聞くと、「大丈夫」という返事。
「?」・・・・ご年配の女性は、「動けない」という言葉とは違って、自分でベッドに上った。
とりあえずすぐ部屋の電話からフロントに連絡。
本人は救急車ではなく、娘を呼んで欲しいとのことだったので、その旨も伝えた。
他のフロントの責任者が客室に上がってくるまでに、悪臭を放つゴミ箱の中身をとりあえずトイレに流し、洗った。
部屋の中のトイレットペーパーも拾った。
そのまま他の人(責任者は男性なので)を中に入れるということは、お客様の粗相をあからさまに知らせることにもなる。発見時の様子は、後で説明すればすむ。
フロントの責任者も、平静を装ってはいたが、ドアを開けて唖然としたのがわかった。
「救急車をお呼びしますから」と、言うとやはり「大丈夫だから娘を呼んで欲しい」というので、娘さんに連絡を取り、その後直ぐに娘さんがやってきて母親を引き取っていった。
動けなかった・・という割には、部屋中にトイレットペーパーが散乱していたこと、私が部屋に入ると自分でベットに上がったこと、ゴミ箱以外の部屋の中でもあちこちで用を足したらしいこと、どうも腑に落ちなかったが、そのことには触れずに、責任者が娘さんに「部屋の清掃代金や、チェーンの交換代金」をたんたんと説明して代金を請求したそうだ。
清掃前に、部屋の写真も撮った。今後のこともあるので。
その日の清掃担当者はとても大変だったらしい。
清掃だけではなく、カーペット、布団なども取り替えなくてはならない。
後に、責任者に呼ばれた私は発見時の様子を詳しく報告し、今だに昔のメンバーが集まると、「その事件、すごかったねー!!」と伝説になっている・・・。
・・まぁ、その女性が命にかかわるような病状ではなかったことが、せめてもの救いです。
「事件ファイル①・・ご年配のお客様事件」・・続きです。
ドアチェーンをオバケカッターで引きちぎり、ドアを開けることができた。
年配の女性のお客様なので、一緒に来た男性のホテルマンは部屋に入ることが出来ない。
こじあけたドアの隙間から、ものすごいアンモニアの匂いが流れてきます。
とりあえず、開いたドアに自分の体をすべり込ませ、匂いが廊下に漏れ出さないように後ろ手にドアを閉めた。
部屋はカーテンが閉まり薄暗い。
目が慣れてくると・・・お客様である年配の女性が、ベッドのふちに手をかけ、やや前かがみの状態に立っている。
ホテルの備え付けのロングシャツパジャマを羽織っているが、前のボタンは止まっていない。
頭はボサボサで、何もつけていない下半身が・・ビショビショでむき出しになっている。
気が付くと、部屋の中には小さく丸まったトイレットペーパーがあちこちに所狭しとたくさん散乱していた。
「痛みはありますか?動けますか?・・・もう大丈夫ですよ。」
正直おどろいたが、出来るだけ安心させるようにユックリと声をかけ、彼女に近づいた。
「動けないのよ、腰が痛くて。座れないし、歩けないし」
近づいて気が付いたのだが、動けない状態であったので近くにあったゴミ箱で用を足したらしかった。1度くらいではない量だった。ゴミ箱の中は、満々とこぼれんばかりの量が入っていたのだ。
男性とは違うので、女性が立って用を足せば、当然うまく出来ない。
部屋のカーペットは、私のパンプスの音で相当濡れているのがわかった。
すぐに下半身を部屋のタオルで拭き、乾いたもう一つのバスタオルで巻いた。
「動けますか?」と聞くと、「大丈夫」という返事。
「?」・・・・ご年配の女性は、「動けない」という言葉とは違って、自分でベッドに上った。
とりあえずすぐ部屋の電話からフロントに連絡。
本人は救急車ではなく、娘を呼んで欲しいとのことだったので、その旨も伝えた。
他のフロントの責任者が客室に上がってくるまでに、悪臭を放つゴミ箱の中身をとりあえずトイレに流し、洗った。
部屋の中のトイレットペーパーも拾った。
そのまま他の人(責任者は男性なので)を中に入れるということは、お客様の粗相をあからさまに知らせることにもなる。発見時の様子は、後で説明すればすむ。
フロントの責任者も、平静を装ってはいたが、ドアを開けて唖然としたのがわかった。
「救急車をお呼びしますから」と、言うとやはり「大丈夫だから娘を呼んで欲しい」というので、娘さんに連絡を取り、その後直ぐに娘さんがやってきて母親を引き取っていった。
動けなかった・・という割には、部屋中にトイレットペーパーが散乱していたこと、私が部屋に入ると自分でベットに上がったこと、ゴミ箱以外の部屋の中でもあちこちで用を足したらしいこと、どうも腑に落ちなかったが、そのことには触れずに、責任者が娘さんに「部屋の清掃代金や、チェーンの交換代金」をたんたんと説明して代金を請求したそうだ。
清掃前に、部屋の写真も撮った。今後のこともあるので。
その日の清掃担当者はとても大変だったらしい。
清掃だけではなく、カーペット、布団なども取り替えなくてはならない。
後に、責任者に呼ばれた私は発見時の様子を詳しく報告し、今だに昔のメンバーが集まると、「その事件、すごかったねー!!」と伝説になっている・・・。
・・まぁ、その女性が命にかかわるような病状ではなかったことが、せめてもの救いです。